単身赴任中だけど、自炊をして食費を「3万円」に抑えたい! 妻に「冷凍野菜のほうがコスパがいい」と言われましたが、栄養が少ないのではないでしょうか…?
使いたいときに使いたいぶんだけ使用でき、3週間程度の保管も可能な冷凍野菜。その手軽さで重宝される冷凍野菜の国内生産量は、2023年は6万3229トンと、前年比101.3%となっています(一般社団法人 日本冷凍食品協会調べ)。 ▼節約のために「カップラーメン」はNG? 栄養バランスと節約を両立させる方法とは? しかし一方で、冷凍野菜は生野菜に比べて「コストが高い」「栄養価が少ない」といったイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。 本記事では、コストや栄養価の生野菜との比較や、冷凍野菜を使うメリットについて解説します。
野菜の種類によっては冷凍のほうが安いものもある
冷凍野菜と生野菜の価格を比較すると、冷凍野菜のほうが必ずしも高いというわけではなく、野菜によっては冷凍のほうが安い場合もあります。ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃを例に、100グラムあたりの価格をまとめると図表1の通りです。なお、生野菜の価格は廃棄率を加味した価格としています。 図表1
総務省統計局 小売物価統計調査(2024年10月)および各種ネットスーパーの実際の価格(2024年11月19日時点)より筆者作成 かぼちゃは生野菜のほうが安いですが、ほうれん草やブロッコリーは冷凍野菜のほうが安いことが分かります。このように野菜の種類によって安い場合があるので、ここに記載のない野菜も購入するときに値段を比較してみると良いでしょう。
栄養素を比較すると水溶性の栄養素は生野菜に比べて失われている
次に栄養素の面で冷凍野菜と生野菜を比較してみましょう。ほうれん草を例として、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」における、100グラムあたりの栄養素の比較は図表2の通りです。 図表2
文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023より筆者作成 冷凍のほうが大きく減っている栄養素とそうでない栄養素に分かれます。この違いは栄養素が水溶性かどうかが影響しています。ほとんどの冷凍野菜は、冷凍前に野菜をお湯や蒸気にくぐらせる「ブランチング」と呼ばれる処理が行われます。これにより水溶性の栄養素は水に溶け出してしまうため、生野菜よりも栄養量が減ってしまうのです。