「年収は4000万円の選手も…」箱根駅伝“山の神”が率いる新チームの“規格外”…「陸上には稼げる余地が」「来年から本気でニューイヤーを狙う」
年収1000万円はわずか…知られざる陸上選手の懐事情
どんなスポーツでも、強いチームの条件はシンプルだ。勝てるチームには必ず、素晴らしい選手がいる。逆を言えば、どれだけマネジメントが優れていても、力のある選手がいなければ勝利を手にすることはできない。 とりわけ陸上の世界ではその傾向が顕著で、無名のチームや選手が勝利するジャイアントキリングが起きることはほとんどない。 良い選手が所属していれば絶対に勝てるわけではないが、実業団チームが駅伝で結果を残すためには、有力ランナーの存在は必要条件である。 一方で、力のあるランナーほど大企業を選ぶ傾向にある。報酬の高さに加えて、倒産のリスクが低いため引退後の職場として計算しやすいからだ。結果、トヨタやホンダといった有力企業に大学駅伝で活躍したランナーが新入社員として入社し、強いチームがより強くなる構造が生まれている。 実業団駅伝の序列が変わりにくい状況下で、知名度の低いチームが下剋上を起こすには、有力選手が大企業からの誘いを断ってでも入社したくなるような仕掛けが必要だ。 その中で、MABPは武器のひとつに報酬制度を整えた。トップ選手であれば最大で年収4000万円が叶う、これまでの陸上界にないレベルの報酬を準備しているという。 MABP共同創業者の松尾直樹は、その背景をこう説明する。 「僕たちは結果を出した人が報われる社会を作りたいと考えていて、MABPの報酬制度もインセンティブ設計を厚くしています。弊社の陸上部も同じように、結果を出せる選手にとっては魅力的な仕組みを作りました」 そもそも、陸上選手がどれだけの報酬を得ているのかはあまり知られていない。プロスポーツの野球やサッカーのように推定年俸が公開されないため、知る方法がないからだ。 実際のところ、陸上選手の大半は実業団に所属する社員であるため、年収は一般のビジネスパーソンと大きく変わらない。オリンピックに出場するような有名選手でも、年収は最大で1500万円~2000万円程度と言われ、1000万円を超えるのも一握りというシビアな業界だ。 「男子の長距離選手で年収1000万円を超えているのは、多くても20~30人くらいでしょう。会社員なので当然といえばそれまでですが、現役中に稼げる金額はどうしても限られます」(神野) 具体的には、実業団選手の報酬設計は「基本給+インセンティブ報酬」で構成される。駅伝の順位や個人成績、日本選手権などの個人競技で好成績を収めれば、それだけインセンティブを得ることができる仕組みだ。 それでも、多くの実業団では給与の重点が基本給に置かれているため、どれだけ活躍しても2000万円程度が上限。プロ選手やテレビCMに引っ張りだこの五輪金メダリストなどを除けば、年間4000万円を手にする陸上選手はこれまで存在しなかったはずだ。
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