「どうして分かってくれないの?」女子ゴルファーによる女子ゴルファーのためのクラブお悩み体験記
「B-LDドライバー」は、細部へのこだわりも秀逸。クラブ重量を軽くするために(約250~270g)、ゴルフプライドと共同開発してグリップの軽さにこだわった。さらにその軽量グリップはバックライン入りで、スクエアを感じやすくしている。また、男性向けモデルはカーボンクラウンだが、女性向けはチタン製。打感と音にこだわり、女性が好みそうな高音で伸びのある打球音を実現しているという。
女性開発者が語るレディスモデルへのこだわりの数々
いろいろと驚きの多い一日だったが、今作のレディスモデルの開発者が女性と聞いてさらにびっくり。開発担当の和田梢(わだこずえ)さんは、大学院でゴルフクラブに関する研究を行い、同社に入社。2012年ごろからメンズとレディスクラブの設計を担当。2015年に発売された「J615 CL」シリーズから、同社の全レディスモデルの設計や企画開発に携わってきたという。ゴルフ業界では珍しい女性開発者にクラブ作りのこだわりを聞いてみた。
「私自身も大学時代からゴルフを楽しむ、イチゴルファーでした。お客様の悩みに心底共感できるからこそ、より良い解決策を提示できると思っています」と前置きしたうえで、今回の「B-LD」の狙いを話した。「性能面は自分の経験だけでなく、弊社のゴルフスクールに通う女性のお客様や、教える側のインストラクターから直接ヒアリングしています。レディスモデルはシャフトの種類を選べないものが多く、自分に合ったシャフトを選んでみたいという要望をよく耳にしていました」と女性ゴルファーならではの悩みに着目。「重めで軟らかいシャフトがあったらいいな」という思いから、特注シャフト「ディアマナ BS50LD II」の企画開発をスタートさせた。 さらにデザイン面では、レディスモデル限定のカラーカスタムにも注力。「弊社の過去のモデルや初心者セットと組み合わせて使っても違和感のないようにレッド・ブルー・ピンクの3色を用意しています。キャディバッグの中を同じ色で揃えたい、持っているウェアやキャディバッグに似合う色味のクラブが欲しいなど、女性ならではのニーズに応えるため、無料でカラーを選ぶことができるようにしました」。ヘッドカバーはどの色にも合うように、白を基調としたシンプルなデザインにした。
女性開発者の熱意と共感によって生み出された、まさに“女性による女性のためのゴルフクラブ”。試打データを計測して分かったが、普段の飛距離と大差は無く、むしろミスショットでも曲がり幅が少なく、弾道がまとまっていた。最近はメンズクラブしかチェックしていなかったが、この機会にレディスモデルを今一度見直してみようと思った。