【スクワットですぐ疲れる人必見】疲れない!頑張らないで自然に体を支えるためのイメージ術
トレーニングで体を鍛えているのに、思うような効果が得られなくてモヤモヤしてませんか? それは習慣的に動くことに慣れてしまっているが故に、知らぬ間に体が緊張しているせいかもしれません。無意識の緊張に気づいてそれを解放し、より効率的に体を動かすことを探究しているアレクサンダーテクニークの実践者が、余計な緊張について解剖学的な視点を交えて考察し、思考から体の使い方を変える方法を提案します。41回目のテーマは「スクワットですぐ疲れる」です。 〈写真で詳しいやり方を見る〉スクワットで疲れない!頑張らないで自然に体を支えるためのイメージ術 ■正しいスクワットに捉われすぎてませんか? スクワットは 特別な道具を使わず気軽に取り組めるトレーニングですが、一方で力強く体幹に効く体勢をする必要があり、「すぐに疲れてしまう」「腰が痛くなる」「太ももがつらい」といった悩みもつきものです。これらの悩みを受けて、スクワットのフォームややり方を解説している記事はたくさんあります。疎かにするとケガに繋がることもあるので、正しいフォームややり方を理解して実践してすることは重要です。 しかしながら、指示通りに行なっていてもうまくいかないこともありますよね。ひょっとしたら「正しいフォームでちゃんと行おう」という意気込みが逆に動作の邪魔をしている可能性があります。 ■“正しい”が緊張となって余計な頑張りをさせる 正しいスクワットには様々な注意事項があります。例えば「背筋を伸ばす」「つま先を軽く開いて立ち、膝はつま先と同じ向きにする」「膝はつま先よりも前に出ないようにする」など。そうして猫背にならないように背すじを伸ばそうとしたり、膝に負担をかけないように上体を引き上げようとしたりしていることでしょう。 このように注意事項を気に掛けて体の部分部分に集中し過ぎると、無意識に胸を張って肩甲骨を寄せるという緊張状態を作ってしまいます。私たちは子どもの頃から「気をつけ」をすることが習慣になっていることもあり、「正しいフォーム」という概念に合わせて思わず「気をつけ」をして胸を張りたくなるものです。 胸を張った状態を維持しようとすると腰でバランスを保つことになるので、腰を必要以上に反らせます。この反らせて緊張させた腰に同調して、次に股関節や膝周辺の筋肉も固まって可動性が制限されます。そして結果的に太ももに余計な力を入れて支えることになります。これがスクワットですぐに疲れてしまう理由のひとつなのでしょう。 ■“正しい”に捉われすぎないスクワットの方法 1.「頭は首の先にあって、脊椎は頭のある方向へ伸びる」と思う まず全身に入っている余計な力みを和らげるために、頭の位置を確認しましょう。 頭は脊椎の一番上の部分である首の先にあります。そして脊椎全体は頭のある方に向かって伸びているとイメージします。これによって、胸を張らなくても自然に背すじが伸びます。 2.「膝はつま先と同じ方向に向かって曲がる」と思う 膝とつま先の向きがズレていると膝に余計な負担がかかり、痛める原因になります。そこで膝とつま先は同じ向きである必要があるのですが、膝をつま先と同じ方向に向けようとするとそれだけで股関節に余計な力が入り、太ももが緊張します。代わりにつま先と膝を見て、「膝はこの方向に向かって勝手に曲がってくれるんだな」と思いながら膝を曲げてみましょう。 3.「お尻は後ろに向かう」と思う 上体を下の方向に降ろすというより、お尻が後ろの方向に向かうと思う方がバランスを保ちながら自由に動けます。 スクワットという同じ動作であっても、体に出す指示の言葉を変えるだけで緊張の度合いなどが変わってきます。いつもより頑張っている気がしないかもしれませんが、本来使われるべき体幹の深層の筋肉はちゃんと働いてくれているので、試してみてくださいね。 ライター/ホタカミア ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。
ホタカミア