『光る君へ』衣装デザインの知られざる舞台裏。シースルー単を着た和泉式部役・泉里香さんの意外すぎる感想とは
◆着用した泉さんの感想は「寒かった!」 さて、その衣装を着ることになったのが、泉里香さんです。 もっと正確に言えば、『光る君へ』の撮影でいちばん最初に着たのは、(袖がなく)フレンチスリーブのようになっている青い小袖と袴。「だから、裏では、『忍者ハットリくん』みたいだね、なんて言われて(笑)。その上にスケスケの単を羽織ったので、もう、すべてが斬新でした」と、泉さんは当時を振り返ります。 「あの衣装を最初に着たときの印象は、とにかく軽い!でしたね。あれっ、これで終わり? もう上に着ないの? と思ったくらい。そして寒かった(笑)。ほかの出演者の方々は袿などを何枚も重ねて着ているため、それに合わせてスタジオの冷房がものすごく効いていたんですよ。『(衣装の)下に厚着したほうがいいんじゃない?』と衣装さんが心配してくださるほどでした」 これもまた、知られざる舞台裏。「あぁ暑い、暑い……」などと言いながら登場したシーンの撮影で、当の役者さんは寒さに震えていたわけです。 苦労といえば、女房装束の重さも気になるところ。「どのくらい重いのだろうと思っていましたが、実際に着てみると、その豪華さに感動して、重さなんて気にならなかったですね。ただし、歩き方や座り方などの所作はほんとうに難しくて……。でも、脱ぐのはすごく簡単だったんです(笑)。さっと肩から落とすだけですから」と泉さん。和泉式部らしい色合いも気に入ったそうです。 「ブルーを基調にしてピンクも入っている。そのコントラストが愛らしいと思いました。清涼感もあるし、甘さもある。和泉式部らしさが出ているな、と。もしかして、恋をしている和泉式部のイメージかしら、なんて想像していました」 知れば知るほど奥深く、興味が尽きない『光る君へ』の衣装。華やかな装束の裏側には、スタッフはもちろんキャストの苦労や思い入れもたっぷり詰まっているのです。
SUMIKO KAJIYAMA
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