放置すればガンのリスク増も!大人→子どもへ感染の危険性もある要注意な細菌とは?
Q.自分がピロリ菌に感染しているかを知る方法はありますか
ピロリ菌感染の検査方法は多数あります。主な検査方法は以下のとおりです。 ・血液検査・尿検査: ピロリ菌に対する抗体があるかどうかを血液や尿を用いて調べる方法です。簡便なので広く用いられていますが、ピロリ菌を除菌した後でも陽性が続くこともあるので注意が必要です。 ・尿素呼気試験: 診断のための薬を服用する前後で、呼気(口から吐いた空気)を集めてピロリ菌の有無を調べる方法です。もっとも精度の高い検査方法で、感染しているかどうかの検査にも、除菌治療後の除菌判定(除菌できたかどうかの検査)にも推奨されています。 ・便中抗原検査: 糞便中のピロリ菌を調べる精度の高い検査法です。現在ピロリ菌に感染しているかがわかるので、ピロリ菌の感染診断と除菌判定に有用です。しかし、便を提出するというところが簡便ではないため、それほど使用されていません。 ・内視鏡検査(胃カメラ)で胃の粘膜を採取して診断する方法: 組織検体中のピロリ菌を顕微鏡で直接観察する鏡検法、粘膜を特殊な液と反応させて色の変化で判定する迅速ウレアーゼ法、粘膜に付着したピロリ菌を培養し確認する培養法の3つの方法があります。その場で結果がわかる迅速ウレアーゼ法がよく用いられます。
Q.ピロリ菌に感染していても、症状がなければ放置してもいいですか
ピロリ菌がいるとわかった場合は、放置せずすぐに除菌治療を受けるのがいいでしょう。 前述した萎縮性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がんの他、胃マルトリンパ腫、胃過形成性ポリープ、特発性血小板減少性紫斑病、機能性ディスペプシアなどの病気の発症にもピロリ菌が関与しているため、早期の除菌が望まれます。 胃がんに関しては、ピロリ菌の除菌により発生・再発の確率が1/2~1/3に減少します。また、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発はほぼ抑制すると報告されています。 また、ピロリ菌の早期の診断・治療(除菌)は、大人から子どもへの感染を防ぎ、次世代のピロリ菌感染予防にもつながります。