大相撲秋場所が終盤戦突入。11日目も大の里の爆走が止まらず単独連勝キープ。連日、時短相撲で圧倒!歴史的なちょん髷の大関誕生か?!
◆通算連続出場1631回 今場所は偉大な記録が誕生した。3日目に前頭10枚目・玉鷲(39歳)が、初土俵から通算連続出場1631回という単独1位を達成。この日、玉鷲は押し出しで勝ち、観客の声援がすごかった。インタビュールームでは「優勝した気分」と言っていた。この日の向正面解説は、玉鷲の師匠である片男波親方(元関脇・玉春日)で、玉鷲は相撲経験もスポーツ経験もなく、ホテルマンを目指していたことなどを話していた。 前頭8枚目・遠藤の「記録の達成の瞬間を土俵下で見られて幸せだった」という感想が、レポーターにより聞けたのも良かった。玉鷲は、力士たちの励みになっているのだ。玉鷲は11日目で5勝だが勝ち越して欲しい。 ところで、11日目の大相撲で見ていて最も力が入って疲れたのが、先場所、横綱・照ノ富士と優勝決定戦をした前頭筆頭・隆の勝と前頭2枚目・王鵬の相撲だ。勝ったのは王鵬で、隆の勝は力つきたようだ。舞の海さんは「死闘」と言っていた。王鵬は11日目で7勝をあげ、勝ち越して欲しい。隆の勝は3勝で負け越して残念だ。 王鵬は2大関を倒したが、7日目の関脇・阿炎との戦いで阿炎の頭がぶつかり、土俵上でふらつき、勝ち残りで土俵下にいた時も目のあたりが腫れあがっていて、見ていて心配した。しかし、その後も頭からぶつかる相撲を取り、解説者たちが王鵬の「心の強さ」を語っていた。10日目の正面解説の境川親方(元小結・両国)は「この人の相撲は気持ちがいいですね。まじめな力士、コツコツやるタイプ」とほめていた。
◆ますます面白くなる相撲 さて、6日目の大相撲放送には、パリオリンピックのレスリング・グレコローマン77キロ級の金メダリストの日下尚さんがゲストとして登場。日下さんは中学3年生まで相撲をやってきて、オリンピックの前に佐渡ヶ嶽部屋で相撲の稽古をした。相撲と同じく、レスリングも下から上へ押すのが対戦相手に効くのだそうだ。 7日目は、「いまさら聞けない!?大相撲」として事前に募集し、1万1,719件から選んだ質問に仕切りの合間に答えるというスペシャル番組だった。 相撲教習所の土俵で、甲山親方(元前頭11枚目・大碇)が説明し、清見潟親方(元関脇・栃煌山)と楯山親方(元前頭6枚目・誉富士)が廻し姿で実演。「突き落とし」「引き落とし」「はたき込み」の違いなどが分かり、ますます相撲を見るのが面白くなった。 興味深かったのは、昭和30年夏場所から決まり手を発表して以来、十両以上で「掛け反り」「しゅもく反り」「外たすき反り」をした力士がいないことだった。「しゅもく反り」の実演として、高木優吾アナウンサーが楯山親方の肩に軽々と担ぎ上げられるという几帳な姿を拝見できた。