「筋肥大はダイエットに効果なし」は100%デマ!筋肉王が語る“筋肉量と消費カロリー”のメカニズム
筋トレ歴約40年の筋肉王・山本義徳さんに指導を仰ぐ本連載「 山本義徳の『キン肉キングダム』」。 ▶︎すべての写真を見る 「筋肥大はダイエットに効果があるのかないのか」論争に終止符を打つべく、筋肉と内臓の知られざる関係や、筋肥大で基礎代謝が上がる極意を紐解いてもらった。
ということで、今回も教えてください山本先生!
筋トレで心臓が大きくなる! その理由とは
第2弾となる今回は、「筋肉を鍛えれば心臓も大きくなる」という切り口から話しましょう。 心臓も筋トレができるって知っていますか? トレーニングをして筋肉が増えると、その筋肉を維持するために、これまで以上の血液を心臓から送る必要があります。心臓は収縮と拡張を繰り返していますから、運動量が上がる分、心臓の壁が分厚くなる。結果、心臓は大きくなり、重量も増えるんです。心臓はほとんど筋肉でできているので、心臓の筋トレですね。肝臓や腎臓も同じです。
筋トレをすると体内のタンパク質が分解されますが、タンパク質に含まれる窒素の一部がアンモニアに変わります。体にとって有害なアンモニアを、肝臓や腎臓が処理して無害化し、尿として排出する。 筋トレをすればするほど、処理をしないといけないアンモニアの量が増えるので、それだけ腎臓や肝臓に負荷がかかる。結果、腎臓と肝臓に付いている筋肉も運動量によって大きくなり重量が増える、というロジックです。
内臓が大きくなれば消費カロリーが増える?
では、心臓、腎臓、肝臓が大きくなると、私たちにどんなメリットがあるのかを説明しましょう。まず、消費カロリーが増えます。わかりやすく数字で示しますね。 何も運動をしていない場合でも、筋肉1kgあたり13kcalを消費します。これが心臓になると、どうか。心臓と腎臓は1kgあたり440kcal、肝臓は1kgあたり200kcalを消費します。つまり、内蔵の方が1kgあたりの基礎代謝量が多いんですよ。 もう少し簡単な数字があります。 国立スポーツ科学研究所の測定によれば、体から脂肪を取り除いた「除脂肪体重 ※1」が1kg増えると、1日の消費カロリーが50kcal増えるそうです。1カ月だと1500kcal。除脂肪体重が1kg増えれば、倍の3000kcal。2kg増えれば3倍の6000kcalと、どんどん基礎代謝が上がっていきます。 筋トレをして除脂肪体重を増やしていけば、それだけ脂肪を燃焼しやすい体になるということです。 ※1 筋肉や骨、内臓、血液などの総重量