「筋肥大はダイエットに効果なし」は100%デマ!筋肉王が語る“筋肉量と消費カロリー”のメカニズム
除脂肪体重を増やすのは難しくない!
寝ていたって消費カロリーが増えるので、痩せたい人は除脂肪体重を増やすべきです。 仮に筋肉が3kg増えれば、除脂肪体重はおそらく5kg程度は増えます。さっきの話に当てはめれば、1カ月で自動的に7500kcalを消費することになる。体脂肪1kgを減らすのに約7200kcalが必要ですが、筋肉を3kg増やせば、毎月、体脂肪1kgを燃焼できる計算になるんです。 でも、筋肉を3kg増やすのは大変でしょって話になりますが、難しくないんですよ。 1日、がっつり20~30分、筋トレを頑張る。体を休ませる方が効果的なので、週3回だけ。今日は下半身、次は上半身など、鍛える部位を決めながらやるといいですね。 自重でもそこそこいけますが、負荷を増やしていくのがトレーニングの原則なので、ある程度のレベルになったら、家にベンチやダンベルを準備するか、ジムに通うといいでしょう。 週3回、20~30分のトレーニングを続ければ、1年で筋肉3kgは増えますよ。
筋肥大はダイエットに効果なし!は誤り
だから「ダイエットしたいなら筋肥大はムダ」という主張は100%間違っているんです。根拠にしているのが「筋肉が1kg増えても13kcalしか消費カロリーが増えないから」というものですが、さきほども言ったとおり、除脂肪体重が1kg増えれば運動をしなくても消費カロリーは50kcal増えますし、運動すればそれ以上です。 それに「エポック」効果もあるんです。 エポック(epoc)とは“excess post-exercise oxygen consumption”の略で、運動後のアフターバーン効果でカロリーが消費されるというもの。運動したあとはグリコーゲンを回復し、筋肉を合成するために、エネルギーが多く使われるためです。
たとえばウエイトトレーニングで200kcalを使ったとします。その後の24時間でも、アフターバーン効果で新たに200kcalが消費される。 つまり、筋肥大すれば「除脂肪体重による代謝」と「エポック効果」で、トレーニング中もトレーニング後もより多くのカロリーを消費し、脂肪を燃焼できるということ。筋肥大はダイエットに効果しかないんですよ。 ひとつ付け加えると、エポック効果を1番得られるのは有酸素運動よりも、運動後の回復度合いがより大きい無酸素運動。ダイエット中の人はウエイトトレーニングがベストですね。 ◇ 「筋肥大はダイエットに効果がない」という誤った言説を一刀両断した筋肉王、山本さん。私たちが寝ているときも筋トレ中も筋トレ後の回復時にも、筋肉は知らないうちに、しっかりカロリーを消費してくれている。要は、筋肉が増えれば増えるほど、ダイエット効果しかないということだ。 佐藤ゆたか=写真 ぎぎまき=取材・文
OCEANS編集部