なぜ拳四朗陣営はバッティング問題のJBC回答に再抗議したのか…WBC“再戦指令”を伝達しないJBCに矢吹陣営も不信感
「今回の問題についてJBCからは何ひとつ連絡がない」と、緑ジムの松尾敏郎会長。WBCからの再戦指令が出たのであれば、納得はいかないものの受け入れる姿勢だが、もし再戦指令がないのであれば、選択試合として初防衛戦の準備に入らねばならない。 マッチメイクだけでなく、会場の確保や中継局との交渉、スポンサーへの協力依頼など準備しなければならないことは山ほどあり、その出遅れは興行の成否に響く。JBCがWBCの結論を“止め置いている問題”に関しての影響は王者サイドの方が深刻なのだ。 業を煮やした松尾会長は、先日、JBCの成富毅事務局長に直接、電話をかけて「WBCから再戦指令が出たという話も聞くが、どうなっているのか。何もないなら防衛戦の話を進めたい」と問い詰めている。 「成富事務局長は、ハッキリと“どうぞ好きに進めて下さい”と言った。JBCの事務方のトップがそう言ったんだから、そうさせてもらう。あとから“WBCから再戦指令が出ました。私は知りませんでした。あの話はなかったことにして下さい”では済まされない問題。“今はまだわからないので保留にしておいて下さい”と言うべきで、そもそもWBCからの連絡があったのならば両陣営にすぐに開示すべきでしょう。一事が万事。JBCは問題が多すぎる。ボクシング界の発展のためにも、ここは引かずに徹底してやるつもり」 松尾会長の怒りももっともだろう。 ボクシング史に残る激闘となった拳四朗vs矢吹の再戦を待ち望むファンの声が大きいことは確か。JBCの対応に注目が集まる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)