「爆音で音楽聴き続け、耳鳴りが止まない人生に」 若い世代に増加するヘッドホン難聴…気づくのに10年、なぜ? 医師に予防法を聞いた
「爆音で音楽を聴き続けた結果ヘッドホン難聴になり1秒たりとも耳鳴りが止まない人生になったから気をつけて」(なそさん@NyasoNostalgic) 【調査結果】イヤホンの使用時間、どれぐらい増えている? イヤホン使用時間が約3人に1人の割合で長時間化(※注1)する傾向のなか、「あなたにもヘッドホン難聴のリスクあり!」と、「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会」が注意喚起しています。今回、ヘッドホンで爆音で音楽を聴き続け、難聴を患う「なそ」さんと、医師に症状と予防方法を取材しました。
「どこへ行くにもイヤホンを付けて…」
現在、40歳のなそさんの耳に異変が起こったのは6、7年前のこと。「家にいるとキーンという高音の大きな耳鳴りがしている事に気づきました。夜、寝ようと思っても煩わしく眠れない程の耳鳴りで、翌日病院に行くと4000Hz帯(高音)の音が聞こえなくなっている、おそらく音楽を大音量で聴き続けた事によるヘッドホン難聴であろうと診断されました」。 音楽好きだったなそさん。「高校生くらいからどこへ行くにもイヤホンを付けて音楽を爆音で聴いていました」と難聴になる前はかなり耳を酷使していたようです。 その後も症状がなくなることなく、耳鳴りは続いています。「静かな場所でも無音になる事はありません。煩わしい音が24時間頭の中で響き続け、多分一生止まる事が無いと思う」と不快感をやり過ごさざるを得ない日々。 「聴覚は二度と元には戻らず後悔しても遅い。好きな音楽を聴けなくなるくらいなら今すぐ音量を下げろ。音楽が好きであればあるほど辛いぞ! 本当に辛いぞ」と、自身の経験をもとに、そして、音楽好きとしても強く訴えます。 なそさんは難聴の症状と戦いつつ、テーブルマジシャンとしてXで依頼を募集するなど、武者修行中です。
ヘッドホンを使用する人が増えて…
ヘッドホン・イヤホンの長時間、大音量の使用により、耳が聞こえにくくなる「ヘッドホン難聴」をリーフレットを通じて注意喚起しているのは、医療・福祉の専門家らによる「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会」。 耳、鼻、のど、頭頸部(脳、脊髄、眼球を除く顔から首まで)を専門とする同学会は、厚生労働省のサイト「e-健康づくりネット」内にて、「音量を下げて、少なくても1時間に1回、10分程度は耳を休めよう!」と予防を呼びかけています。背景には世界中でヘッドホンなどによって若者が難聴の危険にさらされていること、日本でもこの10年で10~40代の聴力の低下が報告されていることをあげています。 今回、同学会に所属する日本医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の松延准教授にヘッドホン難聴になる経緯などを聞きました。