ポリウレタンを再利用しやすい物質に分解する触媒を開発 東大
実用化のステップとしてポリエステルやポリアミドといった樹脂材料とポリウレタンの2種混合物で分解を試すと、ポリウレタンを優先的に分解した。市販のポリウレタンクッション材で分解を試しても成功した。 新しい触媒は、2023年に開発した触媒同様にウレア結合や環状で安定している難分解性のイソシアヌレート環の分解にも使える結果を得た。産業応用に向けて特許取得もしており、岩﨑准教授は「反応性の序列が決まっているカルボニル化合物において、触媒によって順番を変えることができるというコンセプトは実証できた。衣服でポリウレタンがナイロンやポリエステルと一緒に使われていたり、ポリエステルがバイオ由来だったりするように、均一なポリマーではない実際の製品、廃棄物からウレタンだけ分解できることを実証できるよう、分解条件の探索や触媒の改良を考えていきたい」と話している。
研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業や日本学術振興会の科学研究費助成事業、住友財団、藤森科学技術振興財団などの支援を受けて行い、米化学会誌「ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティー」電子版に8月8日付けで掲載された。