超新星爆発が噂されるベテルギウス。すぐ近くに兄弟星がいるのかも
減光の原因は伴星が影響を及ぼす塵か
近年、奇妙な挙動を見せ始めているベテルギウス。2019年後半から2020年初頭にかけて、星の明るさが通常の40%まで減少しているんです。これが「大減光」と呼ばれる現象です。後に科学者たちは、この減光は星の表面から放出された大量の物質が冷えて塵の雲になり、星を遮って見せたことが原因であると結論づけました。 ある研究チームは、長い二次周期の原因は、伴星が塵を引きずって動き、その塵が主星の前を通過した際に一時的に明るさを遮断することに起因していると示唆しています。 一方、本研究の主著者であるフラットアイアン研究所の天文学者ジャレッド・ゴールドバーグ博士は、こうした研究を踏まえつつ、ベテルギウスや他の長い二次周期を持つ星が、伴星が主星の背後にいるときに減光することを発見しました。 つまり、引きずられた塵が減光の原因ではないと結論づけたのです。この伴星は、塵を引きずって動かすのではなく、重力によって、あるいは照射することで、塵に影響を与えている可能性が考えられるようになりました。
発見されれば、超新星爆発までの時間がわかるかも
ソルボンヌ大学の天文学者で、2021年に「Nature」誌に発表されたベテルギウスを覆う塵についての論文の共著者であるミゲル・モンタルゲス氏は、Gizmodoへのメールの中で次のように述べています。 「20世紀にベテルギウスの伴星 alpha Ori Bの発見が何度か報告されていますが、後にすべてが間違いであったことが証明されています。ベテルギウスは巨大な星です。統計的に見ても、そのような星が兄弟星を持たずに生まれること自体が稀なので、ベテルギウスに伴星が存在することは、驚くべきことではないといえます」 モンタルゲス氏は、この研究が赤色超巨星の理解に重要なものになると付け加えました。 昨年、ある研究チームは、ベテルギウスが従来の予測よりもはるかに早く、数十年以内、あるいは数世紀以内に超新星になると予測しました。しかし、他の天文学者たちはこれに反論し、ベテルギウスがまだ核ヘリウム燃焼期にあり、超巨星の最終段階である核炭素燃焼期には達していないと主張しました。 「伴星自体はベテルギウスが明日爆発するか、あるいは西暦10万2024年に爆発するかに影響を与えません」とゴールドバーグ氏は述べました。 「しかし、伴星の発見は、ベテルギウスがいつ爆発するかをより正確に予測する鍵となるでしょう」