「子どもがADHDかもしれない」と思ったら…? 身近な相談先や就学までの必須項目や流れをチェック!
相談できる窓口は増えている
ADHDに対する支援は少しずつ広がっており、さまざまな公的相談窓口があります。ひとりで悩むことはありません。専門家といっしょに、適切な環境や対応を探っていきましょう。 最初の相談先としては、園や学校の先生がおすすめですが、園や学校でのトラブルが続いたり、先生には相談しづらかったりするケースもあるでしょう。 そんなときでも、どうかひとりで悩みを抱え込まないでください。園や学校以外にも相談窓口は広がっています。自治体の福祉課や保健センター、発達障害者支援センターなどで、専門知識をもった職員が相談に応じています。保護者だけでも相談できますし、子ども本人が困りごとを自覚しているようなら、いっしょに相談することもできます。事前に電話で問いあわせておくとスムーズです。 (1)ひとりで悩まずに相談先を広げる トラブルが続くと、親も子どももつらいもの。専門家に話をすることで見通しがたてば、気持ちも軽くなります。 ■こんなときは専門家に相談を ⃝ トラブルを何回も起こしている ⃝ 先生から対応が難しく困っていると言われた ⃝ 本人も困りごとを自覚している (2)電話相談できる所もある 基本的に相談は無料で、来所相談以外に電話相談を受けつけているところもあります。詳しくは各窓口に問いあわせを。
保護者と学校は子どもを支えるチーム
発達障害の子どもの就学先としては、通常学級や特別支援学級、特別支援学校などがあります。ADHDの子どもは、ほとんどが通常学級に就学します。困りごとが生じたときは、そのうえで合理的配慮を受けることができます。 子どもが小学校に上がるときは、事前に候補の学校を見学し、面談しておくとよいでしょう。また、現在受けているサポートが途切れないよう注意が必要です。 保護者と園・学校の関係者は子どもを支える一つのチームです。互いに理解を深め、よりよい支援態勢をつくっていきましょう。 (1)就学前相談で心配ごとや希望を伝える 保護者が申し出れば、教育委員会の「就学前相談」が受けられます。就学先や支援の引き継ぎなどで不安なことがあれば、相談窓口に問いあわせてみましょう。 まず面談で、就学先の希望や心配ごとを伝えます。その後、発達検査や行動観察などの結果をもとに就学支援委員会(教育関係者、医師、心理相談員、特別支援学校の教員などで構成される)が審議し、就学先や支援に関する助言をしてくれることになります。 (2)就学までの流れ ADHDの子どもにとって、就学は大きな環境の変化となります。就学までの流れを知り、準備していきましょう。 続きは<ADHD理解不足が招く二次障害の危険性。「ADHDの子はいじめられやすい」データも…【自尊感情を測るチェックリスト付】>にて公開中。
榊原 洋一(お茶の水女子大学名誉教授)