夏休み後に子どもが変わる!「小6の1年」を成功させるための中学受験“塾”大活用術【親がやることリストも公開!】
中学受験を控えた小学校6年生の子を持つ家庭は、わが子の学習状況や成績に年中、一喜一憂することになるだろう。やることも増えて、難易度も上がる中、困ったら頼れる先があると心強い。悔いなく走り切るには、中学受験のパートナーである「塾」を最大限活用したいところ。小6の1年間の塾活用術をベテラン塾講師に取材した。(ダイヤモンド・ライフ編集部) 小学6年生の「中学受験」年間スケジュールをチェック!【親がやること】リスト付き *本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)『本当に子どもの力を伸ばす学校 中高一貫校・高校大学合格力ランキング2025年入試版』を転載したものです。 受験本番の「小6」を 塾とのタッグで走り切る 中学受験が本格化する小学校6年生の1年間は、親子ともとにかく忙しい。悔いなく走り切るには、塾を最大限活用し、必要なときに先生のアドバイスを上手に取り入れることが大切だ。 ただし「相談」と称してやみくもに依存するのは違う。塾を活用するポイントとして、学習アドバイザー兼塾講師の渋田隆之氏は「『やることにリスクがないこと』に加えて『時間対効果(タイムパフォーマンス)が高いこと』はどんどんやろう」と語る。 一般に、夏休みを過ぎると模擬試験の回数が増えたり、志望校の試験対策に時間を割くようになったりして、時間的にも気持ち的にも余裕がなくなる。このことを念頭に置いて、動き出しはできるだけ早くしていこう。 渋田氏への取材を基に時期ごとに「やること」をまとめた(下の図1)。 ここから先は、図1に収まり切らなかったアドバイスを紹介していく。
まず4~6月は「情報収集」に取り組もう。志望校の入試日程と科目や配点、新傾向の問題がないかなどの視点でホームページを調べたり、塾に入試問題の傾向、時間配分、記述量などの分析をお願いしたりするといい。 こうした情報を集めながら、ある程度「行きたい学校群」を絞っておく。このとき、通塾し始めた頃に「憧れた学校」は、思いが深いことが多いので、子どもと学校の偏差値が著しく乖離していなければ、候補に残しておく。 その他に「併願校」として、日程が第1志望の邪魔をせず、入試対策が第1志望と重なる(算数と国語の出題傾向や配点、記述の傾向など)学校を3~4校リストアップする。 さらに日程が合う学校で第1志望より難易度が高い「チャレンジ校」を1校見つけておく。憧れの学校をつくることは子どもに「期待していること」を感じさせ、勢いを付ける契機となる。 また、本番まで間があるこの時期だからこそ「ママ友・パパ友などの人付き合いのスタンスを決める」ことも大切。志望校を言わない、愚痴を言い合わないなど、適度な距離感を保つように努めよう。限られた体力や精神力の割り振り先は厳選する。 さらに忘れてはならないのが「他人と比べない」ということ。偏差値ではなく、得点力の伸び方などを見て、わが子の成長をきちんと認めることを改めて意識しておきたい。 7~8月の夏期講習では、できているところ・できないところを把握できればよしと思っておこう。 夏休みを経て、模試が増える初秋には「受験をやめたい」と考える家庭が増えてくる。短期間の成績で判断せず、踏ん張りたい。塾の先生に同じようなケースの子どもの実例を聞いておくと参考になる。 9~10月になると、志望校別特訓が始まる塾もあり、模試の回数も増え、忙しさに拍車が掛かる。子どもが息切れしたときは、塾の先生と相談してわが子に必要なことに特化しよう。 また、子どもの得意な分野と学校の出題傾向の相性を踏まえた志望校の絞り込み、過去問対策(どの学校のどの科目を何年分やるのかも含めて)も始める時期だ。優先順位を付けるために塾の先生に相談して目標を立てよう。 11~12月は親の事務作業が肝心だ。願書の入手のほか、塾が合格発表や手続きなどのスケジュールを出してくるので、それを漏らさず家族で把握できるよう、カレンダーなどに書き込む。勉強面では苦手単元・科目で合格最低点を取るための戦術を塾と相談する。 そして本番直前、親子の緊張もピークに差し掛かる1~2月。「この頃から入試まで親がどんなことを言っていたのか、子どもはよく覚えている」(渋田氏)ので、親はできるだけ感情的にならず子どもに接したい。 出願手続きのほか、試験日の天候や交通の確認もしっかりしておこう。 また、受験が始まる前に進学先の優先順位を暫定で決めつつ、不合格だったときの声掛けも考えておくといい。 最後に、どの時期にも共通する注意事項がある。それは「勉強以外のトラブルに目を光らせておくこと」。子どもは成績や勉強のやり方以外に、対人関係がネックになって勉強や通塾を嫌がるようになるケースも多いからだ。