写楽や歌麿を世に送り出した蔦重のスゴい仕事術…NHK大河「べらぼう」主人公に学ぶ仕事のコツ
たとえば、自分がずっと会いたいと思っていた人に、人を介して会わせてもらったとき。もし紹介者が同席しなかったのなら、憧れの人に会ったその日のうちに、紹介者に一報を入れるようにしましょう。 紹介してくれた人は、「うまくいったかな」と気を揉んでいたかもしれません。そうでなかったとしても、その人のお蔭でつながったご縁ですから、ことの成り行きを報告するとともに、改めてお礼を伝えるのはとても大切なことです。それが礼を尽くすということなのでしょう。
自由な江戸っ子風情の蔦重ですが、彼自身、そういった礼節をとても大切にする律儀な人でした。礼をわきまえ、方々に気を回す人柄だったからこそ、みんなが彼に惚れ込み、「ともに仕事がしたい」と集ってきたのです。
車浮代 :時代小説家、江戸料理文化研究所代表