米国との接戦を乗り越えたカーリング日本代表は準決勝進出を果たせるのか…“最強”スイスに勝利で決定も敗れた場合は?
ただ、今回も敗れた場合、大混戦に拍車がかかる可能性がある。 スイスに続いて、平昌五輪を制した世界ランキング1位のスウェーデンが6勝2敗で準決勝進出を決めた。残る2枠を世界ランキング7位の日本と、4勝4敗で並ぶ同3位の韓国、同5位のカナダ、同8位のイギリスの4ヵ国が争う構図で最終戦を迎える。 日本対スイスの他には韓国がスウェーデン、カナダがデンマーク、イギリスがROC(ロシアオリンピック委員会)とそれぞれ対戦する。5勝4敗の国が2つならば問題はない。しかし、3つ以上で並んだ場合は、当該国間の直接対決の結果で決まる。 例えば4ヵ国が5勝4敗で並んだ場合は、他の3ヵ国に対して日本とイギリスが1勝2敗、韓国とカナダが2勝1敗となり、日本とイギリスが敗退となる。 3ヵ国が並ぶ場合で日本が絡む組み合わせは3つあり、そのうちイギリス、韓国と並んだ場合は、両国に敗れている日本が敗退となる。対照的にカナダおよびイギリス、またはカナダおよび韓国と並んだ場合は、3ヵ国すべてが1勝1敗となる。 こうなった場合はドローショットチャレンジ(DSC)で最終順位を決める。 実はカーリングの試合前には先攻、後攻を決めるラストストーンドロー(LSD)が行われている。両チームから2選手ずつがショットの正確さを競い、ハウスの中心からの合計距離が短いチームが有利となる後攻で第1エンドをスタートさせる。 17日の最終戦を含めた1次リーグ全9試合のLSDから、数値の悪い2試合を除いた7試合の平均値を比較するのがDSCであり、優れているチームが上位になる。 DSCは僅差の戦いになるケースが多い。直近では昨年12月にオランダで開催された、北京冬季五輪出場をかけた世界最終予選。イギリス、日本、韓国が6勝2敗で並び、直接対決もすべて1勝1敗だったためにDSCの数値の比較になり、約7cm差で上回ったイギリスが1位でまず五輪切符を獲得。日本と韓国はプレーオフを勝ち抜いた。 もちろん最終戦で強敵スイスに勝てば問題ない。ただ、スイスも1位突破をかけて全力で臨んでくるだろう。その結果としてどんな状況に直面しても動じないとばかりに、世界最終予選やその前の北海道電力との日本代表決定戦を勝ち抜いた、ロコ・ソラーレに関わる全員の思いを代弁するように藤澤が力を込めた。 「全員が勝ち星を気にするような、メンタル的にも一番難しくなる1次リーグの後半でそれぞれが強い気持ちを持って臨めたことが、実際にショットにもつながりました。途中で追いつかれてしまいましたけど、特にちな(知那美)がポジティブな言葉をかけ続けてくれて、落ち込みそうになったときも全員で乗り越えられたと思っています」 大混戦を見越していたかのように、残り2枠を争う4ヵ国の直接対決も組まれていない1次リーグ最終日。メダルの行方を左右する運命の大一番は、順位決定に関わる可能性のあるLSDを終えた後の15時5分に一斉にスタートする。