米国との接戦を乗り越えたカーリング日本代表は準決勝進出を果たせるのか…“最強”スイスに勝利で決定も敗れた場合は?
北京冬季五輪のカーリング女子1次リーグが16日、国家水泳センターで行われ、平昌五輪銅メダルの日本代表ロコ・ソラーレがアメリカを10-7で撃破。連敗を2で止めるとともに通算成績を5勝3敗として、10ヵ国中で単独3位に浮上した。 第2エンドで3点をスチールするなど、前半を6-3で折り返した日本だったが、第7エンドに一挙4点を奪われて7-7とされた。それでも試合の流れを渡さず、続く後攻の第8エンドで2点をゲット。第9エンドでも1点をスチールして勝負を決めた。 世界選手権連覇中のスイス、平昌五輪金メダルのスウェーデンが18日の準決勝進出を決めた1次リーグは、残る2枠を日本、4勝4敗の韓国、カナダ、イギリスの4ヵ国が争う大混戦のまま、日本は自力突破をかけて17日のスイスとの最終戦に臨む。
「試合を作ってきた私たちへのご褒美」
悲壮感の類はまったく伝わってこなかった。第7エンドが終わったばかりのシートの上で、日本のロコ・ソラーレの4人はむしろ穏やかな表情を浮かべていた。 場面をちょっとだけ巻き戻せば、後攻のアメリカのスキップ、タビサ・ピーターソンが最終投で完璧なテークアウトショットを決めていた。ハウスのなかにはアメリカの黄色いストーンが4つ残り、対照的に日本の赤いストーンはゼロだった。 アメリカが一挙4点を奪うビッグエンド。4点のリードが瞬く間になくなり、7-7の同点とされた直後に抱いた心境を、サードの吉田知那美(30)が試合後に打ち明けた。 「しっかりとスコアボードを見て、別に4点を取られても、私たちにとってはいいシチュエーションだと確認できたので。それは前半、中盤と私たちがしっかりアイスを読んで、試合の形を作ってきたことへのご褒美だったと思いました」 例えば日本の1点リードで迎えた前半の第2エンド。スキップ藤澤五月(30)が最終投でガードストーンを巻いてハウスに到達させる正確無比なカムアラウンドを決め、先攻の日本がNo.1からNo.3までのストーンを占めた。果たして、プレッシャーがかかる最終投でタビサがミスを犯し、日本が一挙3点をスチールした。 2-4と追い上げられた中盤第4エンド。1点が確実だった最終投で、後攻の日本が攻撃的な姿勢を貫く。藤澤の最終投は完璧なレイズとなってNo.1ストーンになり、さらに弾いたアメリカのストーンを日本のNo.2ストーンのわずか外へと押し出した。