元防衛省職員が過疎地にUターン、1人きりで地域情報誌を創刊した結果。50人以上の仲間が集い地域が熱を帯びていく ドット道東・北海道
「楽しく」暮らすことを掲げる裏側には、地方のストレートな危機感と閉塞感があります。 「今年10年ぶりに消滅可能性自治体(※)が発表されましたが、道東の50自治体のうち、半分以上の29市町村が該当し、データ上は非常に厳しい結果です。90万人弱の人口が2045年には60万人台になるという推計が出ており、今でさえ極めて人口密度が低いエリアにも関わらず、何もしなければ今後一層加速する未来が待っています」(中西さん) ※消滅可能性自治体…20~30代女性が2020年から2050年までに50%以上減少し、最終的に消滅する可能性がある自治体
「取り組むのは、自分がつまらない地域で過ごしたくないからです。世の中のためにとかかっこいい話で始まるわけではなくて、圧倒的に利己的な理由なんです」と中西さんは笑います。 自分にしかできない仕事を求めて、地元に戻ることにした中西さん。住むと決めた場所で楽しく過ごしたい。でも、今のままじゃまずい。そんな課題感を共有する当事者が50人以上集まり、道東という広いエリアでそれぞれが自分ができることに挑戦しています。 自分の暮らす地域なのだから、自分で課題を解決しなくてはならない。地域に暮らす一番の当事者として、課題が多い地域でオセロをひっくり返しています。 ●取材協力 ドット道東
米田友紀