21世紀のIT/金融インフラを作り出す。「Japan Open Chain」が目指すWeb3マスアダプションとは
ステーブルコインの登場でユースケースは一気に広がる
──「日本」という国の信頼性、中立性をベースにしたブロックチェーンとして、ユースケースとしては最初から金融を想定していたのか。 ブロックチェーンはそもそも金融、決済インフラとしてスタートしている。イーサリアムはもちろん、ビットコインもそう。金融がブロックチェーンのメインのユースケースだ。ただ、お金は我々の生活のすべてに関わるものであり、つまりはブロックチェーンもすべてに関わるものになる。 かつて、インターネットが登場したときも「何に使えるのか」という議論があったが、現状をみれば「何にでも使える」ことは皆が理解している。それと同じことがブロックチェーンにも当てはまる。その意味では、ステーブルコインが登場すれば、ユースケースは一気に広がるのではないかと考えている。 ──イーサリアムのレイヤー2(L2)を手がける選択肢もあったのでは。 レイヤー2(L2)は、良く知られた単語だが仕組みを理解している人は少ない。実は技術的にもかなり未成熟だ。仕組みを詳しく説明すると長くなるが、L2をL1として使うような行為もあり、また一企業が止めようと思えば止められる仕組みになっているものもある。 であれば、信頼できるバリデータが運営しているL1チェーンを作った方が安心ではないかというのが我々の立場。イーサリアムと完全な互換性を維持しながら、スケーラビリティと低コストを実現するため、コンセンサスアルゴリズムにProof of Authority(PoA)を採用し、さらにバリデータを明確な企業に限ることで、高速かつ安価で、誰もが安心して利用できるブロックチェーンを実現している。 ──今、L2も含めてさまざまなチェーンが登場しているなか、かなりユニークな存在といえる。 スタート当時はかなりユニークだったと思う。分散性を重視する人のなかには「ブロックチェーンではない」などと言う人もいたが、今では我々の取り組みを真似たものが出てきている。実際にビジネスを行う人たちに対しては、ひとつの解決策を示すことができたと考えている。 Xの海外フォロワーも8万人くらいまで増えている。まだトークンを上場していない現状を踏まえると、知名度はかなり上がってきた。