87歳で死去した「道長の娘・彰子」が宮中に及ぼした強大な影響力。実資から「狂乱の極み」と批判されたことも
■政治力を発揮し87歳まで長生きをした 後朱雀天皇は道長の6女である嬉子との間に親仁親王を、三条天皇の皇女・禎子内親王との間に尊仁親王をもうけている。のちに親仁親王が第70代・後冷泉天皇として即位。さらにその後は、尊仁親王が第71代・後三条天皇として即位する。 孫にあたる後冷泉天皇のときも、後三条天皇のときも、后の決定には彰子がかかわっていたというからすさまじい。後三条天皇のあとは、第1皇子が白河天皇として延久4(1073)年に即位。彰子が亡くなったのは、その翌年、承保元(1074)年のことである。
道長の姉である詮子に次ぐ2人目の女院として、長きにわたって国政を陰に陽に支えた彰子。87歳でその激動の生涯を閉じることとなった。 【参考文献】 山本利達校注『新潮日本古典集成〈新装版〉 紫式部日記 紫式部集』(新潮社) 『藤原道長「御堂関白記」全現代語訳』(倉本一宏訳、講談社学術文庫) 『藤原行成「権記」全現代語訳』(倉本一宏訳、講談社学術文庫) 倉本一宏編『現代語訳 小右記』(吉川弘文館) 今井源衛『紫式部』(吉川弘文館)
倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社現代新書) 関幸彦『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』 (朝日新書) 倉本一宏『三条天皇―心にもあらでうき世に長らへば』 (ミネルヴァ日本評伝選) 服藤早苗『藤原彰子』(吉川弘文館) 真山知幸『偉人名言迷言事典』(笠間書院)
真山 知幸 :著述家