「天野会には縦社会の空気も殺伐感もない」キャイ~ン天野ひろゆきが語る“食がもたらす効果”
お笑いコンビ・キャイ~ンの天野ひろゆきさんは、芸能界きっての料理好きとして知られている。高校時代のアルバイトがきっかけで料理が好きになったという天野さん。“天野会”の仲間に料理を振る舞うだけでなく、2児の父として子どもと料理を楽しむことも多いそうだ。「天野会には縦社会の空気も殺伐感もない」と語る天野さんに、料理の楽しさや食がもたらす効果を聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
「こんなにおいしいものがあるんだ」バイトきっかけで始めた料理
――天野さんは料理が得意なことで有名ですが、どういったきっかけで料理を始められたんですか。 天野ひろゆき: 高校時代にアルバイトで料理を始めたのがきっかけです。当時、喫茶店とレストランがくっついたようなお店でバイトしてたんです。洋食が多くて、ハンバーグやパスタ、ドリアを食べて「こんなにおいしいものがあるんだ」と知って。ドリアなんて、うちの母ちゃんはまだ知らないんじゃないかなと思いますね。大体、家で食べるご飯って煮魚などの和食系になるじゃないですか。でも、洋食も作ってみるとどんどん楽しくなっちゃって、それで料理に興味を持ったんです。 ――それがきっかけで今もおうちで料理を作ったりしているんですね。 天野ひろゆき: そうですね。ネットの社会になって、プロの料理人が本格的なカルボナーラの作り方を発信するようになりましたよね。それを見ると、「本場は生クリームは使わないんだ」とか「ベーコンじゃなくてグアンチャーレ!」とか知るようになって。一度、見始めるともう止まらないですね。 僕が料理することがだんだんテレビで浸透してくると、お店に行ったときに「天野さん、料理やられるんですよね」なんて声をかけてもらうことも増えました。料理がおいしくて作り方を知りたくなって、お願いして厨房を見せていただいたこともあります。 フレンチの最高峰で三つ星のレストラン、ジョエル・ロブションの厨房も見せてもらったことがあります。ロブションさんはお亡くなりになってしまったんですが、恵比寿にあるガストロノミー「ジョエル・ロブション」に行ったんです。驚いたことに、ジョエル・ロブションの厨房には火がないんですよ。フレンチは中華のように圧倒的な火力はあまり必要ではなくて、温度を一定に保つことの方が重要だから全部電気なんですって。それを何十年も前からロブションさんはされていたそうで、そんなのを見ると「すげえな」って興奮しますね。