家族で選挙について話してる?―親から子どもに教える選挙のポイント
7月10日に参議院選挙を控え、若者の政治参加を促す会社・笑下村塾代表のたかまつななさんは、若者の投票率を上げるには「家庭で政治の話をすることが大事」だと言います。これまで全国6万人以上の子どもたちに「主権者教育」の出張授業を行っているたかまつさんに、子どもに対して親はどのようなことを伝えたらいいのか、そのコツなどについて話を聞きました。(Yahoo!ニュース Voice)
政治の“タブー視”をなくそう
――なぜ若者の投票率は上がらないのでしょうか。 たかまつなな: 政治についての教育が遅れていることが原因の一つです。9割以上の高校で、政治の授業は行われていますが、具体的な政治問題や政党についての話を取り上げているところは約3割です。これでは政治に関心が持てませんし、そもそも、若者が政治についての話をタブー視する風潮への対策がされていないと感じます。子どもたちからも、「政治について話したいけど、学校で話すのも変な感じがする」「家族とも話せないし、ネットで話すと炎上するし、どうすればいいか分からない」という声が聞かれます。 私も10代のころから政治に興味を持って社会問題などについて話してきたのですが、「生意気だ」とすごく叩かれて、嫌な思いをすることも少なくありませんでした。 また年齢が上がるにつれて、政治の話をすることへの忌避感は強くなっていきます。出張授業でワークショップをしていても、小学生は「何で何で?」と純粋に意見を聞くことにも抵抗感がないのに対し、高校生くらいになると「話していいのかな?」という空気になって授業が滞ってしまうこともあります。 ――若者が政治の話をタブー視しないようにするには? たかまつなな: 家庭で政治の話を日常的にすることが大事です。例えば、家族で一緒にニュースを見て議論することはとてもいいと思います。私も子どものころ、父親と一緒によくNHKのドキュメンタリーを見て、背景にある社会の構造について議論したりしていました。 また、選挙の際は子どもと一緒に投票所に行ってほしいです。総務省の調査で、小さいころに親と選挙に行ったことがある人の投票率は、そうでない人よりも20%高いというデータがあります。これってすごいことですよね。モーニング娘。の『ザ☆ピ~ス!』(作詞・作曲 つんく)という曲にも、「選挙の日ってウチじゃなぜか投票行って外食するんだ」という歌詞がありますが、選挙に行くのが楽しみになるようなポジティブさがあります。外食して、少しその日は、選挙の話なんかもできたらいいですよね。小さいころから家庭で話す文化があると、日常的に政治について話をできるようになることに繋がると思います。