「“こういうもんだから”で流される世の中はゆゆしき状態」綾小路 翔が選挙に行こうと決めた理由
千葉県木更津市で生まれたロックバンド「氣志團」のボーカル、綾小路 翔さん。地域貢献を目的に地元・千葉で開催する音楽フェス「氣志團万博」を開催するほか、Twitterで積極的に政治参加について発信している。かつては「選挙に参加して良いことはあるのか?」と思っていたものの、音楽活動を通して社会のあり方に違和感を覚えたという。綾小路さんが選挙に行こうとTwitterで発信するに至ったきっかけや、その思いについて聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
地元・千葉で歓迎されなかった氣志團万博。それでも「若者たちに生で見てほしい」
――「氣志團万博」を地元・千葉で開催されていますが、どういった思いで始めたのですか? 綾小路 翔: 故郷である木更津に錦を飾りたいという思いがありました。でも、氣志團というバンドは地域の人から好かれていなくて、大手を振って凱旋という感じではなかったんです。というのも、僕らの故郷はかつて、リアルに不良が多い街でしたから(笑)。もう過去のことはほじくり返さず、変なイメージをつけないでほしいと、我々のことを良く思っていない方が、当時は多かったかな。 それでも、僕たちはやっぱり地元が大好きなんです。「もう永遠の片思いでもいい!」。そう思って、一方的に始めてここまでやってきました。 「求められてないなら、俺たちのやってることって余計なお世話なんじゃない?」と、正直、地域貢献に対するモチベーションが下がった時期がありました。それでも、続けることができたのは“中坊の僕”への思いがあったからです。 僕たちが子どものころ、地元・木更津までコンサートに来てくれる人は、ほとんどいませんでした。当時は、ライブを見るために頑張って東京まで行かなければいけなかったんです。だからこそ、あの頃の僕らみたいな中坊や高校生たちに、とんでもない経験をさせてやりたい。そんなおせっかいモードになったんです(笑)。自分たちの最高の仲間たちを地元に連れていって、若者たちに生で見てほしいと。 そうやって草の根運動を続けて10年。だんだん行政の方たちや地域の方たちにも少しずつ認めてもらえるようになって、ちょっとずつ地元の人たちが足を運んでくれるようになりました。