<タンポポ>外来種の侵略を受けた”カンサイ” 受けなかった”トウカイ”
■ダーウィン時代からの謎解明にもつながる発見 今回の実験結果のようにセイヨウタンポポが、近縁であるカンサイタンポポの繁殖に悪影響を及ぼす現象は「繁殖干渉」と呼ばれる。繁殖干渉によって在来植物が外来種に置き換わるメカニズムが明らかになったことで、「近縁の生物が同じ場所にほとんど存在しない」という、ダーウィン時代から謎とされていた現象の解明にもつながりそうだ。 ■研究によって在来の植物を守ることができる 西田さんらは「日本在来の植物に外来植物の人工授粉実験を行って繁殖干渉の有無を調べれば、どの程度、追いやられるのか予測でき、外来種の花を取るだけで、在来種の駆逐を抑えることもできるかもしれない」と話している。 セイヨウタンポポは、同じ外来種のアカミタンポポとともに「外来タンポポ種群」として環境省の「要注意外来生物リスト」(全148種類)にあげられている。これは「特定外来生物被害防止法」(外来生物法)の規制対象外だが、すでに日本に持ち込まれ、生態系に悪影響を及ぼす恐れがありながらも科学的な知見や情報が不足していることから、リストではさらに「引き続き情報の集積に努める外来生物」に分類されている。 (文責/企画NONO)