約60万円の「Apple Vision Pro」は“安い”のかも知れない
◼︎ Point 2/“視線”と“手のジェスチャー”で操作可能
続いて驚きだったのは「コントローラーが不要」なこと。「Apple Vision Pro」は視線と手のジェスチャーによってあらゆる操作が行えます。例えば目の前に表示されたアプリのアイコンに視線を向けて、手の親指と人差し指をタップすればそのままアプリが起動します。
また、写真を表示させた状態で両手の指をピンチアウトすると拡大表示ができ、まるで巨大なiPhoneを操作しているような感覚です。視線のトラッキングも正確に追従するので操作性はかなり直感的。アクセシビリティの高さは“さすがApple”といったところ。基本操作さえ覚えれば使いこなすのはそんなに難しくありません。
◼︎ Point 3/空間カメラで“その場、その時”を撮影
「Apple Vision Pro」は“見る”だけじゃありません。“撮る”こともできます。デバイスを装着したまま写真やビデオ録画をすれば、12個のカメラ、5つのセンサー、6つのマイクによって目の前の「空間そのもの」が記録できます。 これまでの写真、動画、あるいは360度カメラとも違う「3D空間」を記録するので、その立体感・リアル感は現実とほぼ遜色なし。ちなみに私が体験したデモでは、バースデーケーキのローソクに息を吹きかける少女が目の前に現れたのですが、「フー!」と吐く息のリアルさに思わずのけぞってしまったほど。空間オーディオにも対応するので、視覚・聴覚の臨場感はまさに桁違いです。
人生における大切な一瞬は後で何度でも見返したいものでしょう。「Apple Vision Pro」なら「見返す」だけじゃなく、「体験し返す」ことが何度でもできそうです。これなら恋人はもちろん、家族やペットとの“その場、その時”の思い出を残すのにもぴったり。もしかすると10年、20年先には、この「3D記録」が新しいカメラの形になっているのかもしれません。
結局、「Apple Vision Pro」は何ができるの?
そんな「Apple Vision Pro」ですが、具体的に何ができるのかを見ていきましょう。このデバイスを装着すれば、現実空間にさまざまなデジテルコンテンツを融合させることができます。