新型肺炎ウイルス分離に成功 感染研が会見(全文1)検査法やワクチンの開発進める
細胞の形状はどう変化したのか
朝日新聞:代わりまして朝日新聞の【***00:10:38】と申します。こちら、細胞の形状変化を観察されるんですけども、どのようになったということですか。 脇田:一番大きいのは、今、ご覧になったこの次の写真ですね。次の写真、真ん中に核がいっぱい集まっているような写真があるんですけども、ウイルスが感染しますと、普通の培養細胞が融合してたくさんの細胞が1つの細胞になってしまうという現象が見られます。その1つの大きな細胞に核がたくさんあるような細胞ができてきて、それが多核巨細胞ということで、これが一番大きな変化になります。 それから、感染しますと細胞には形状の変化というのが出てきます。普通は培養細胞というのはプラスチックの培養皿のようなものに貼り付けて培養するわけですけども、その接着力が弱くなって、たいてい丸くなってくるという特徴があります。さらに感染が進むと、その細胞が壊れてしまうということになりますけども、そういった形状、形の変化、それから巨細胞の形成といったところが今回見られている変化になります。 朝日新聞:多核というのは、多核の核というのはウイルスの核ですか、それとも細胞の核ですか。 脇田:細胞の核ですね。つまり感染した細胞が融合してしまうために、多くの細胞が融合して、その核が1個の細胞の中に集まっているような、そういう絵が見えるということになります。
ウイルスは何個分離できたのか
朝日新聞:それは電顕写真ですか、それとも光学顕微鏡ですか。 脇田:これは光学顕微鏡ですね。これは電顕写真です。この写真はこのリリースが終わったあとに、そこにいる皆さまには提供させていただきます。 朝日新聞:じゃあウイルスの核が見えたというよりも、ウイルスが反応することでできる細胞の変化を見てウイルスが増えたと判定して、そしたらウイルスが見つかったということ。 脇田:はい。ウイルス学の検査ではよくやるんですけども、感染をさせて、その細胞の形が変化するということで。細胞の形を見るということでウイルスの感染が成立したかどうかということを判断することはよくありますけども、そういった形の変化の1つということになります。 朝日新聞:すいません、これ、ウイルスが規模感で言うと何個ぐらい分離できたかっていう観点から。 脇田:何個というのは非常にウイルス学的にも難しいんですけども、いわゆるリアルタイムPCRという方法で見ると、たぶん細胞の中ではウイルスが何万倍というレベルで増えているということは推測されます。よろしいでしょうか。 朝日新聞:はい。 脇田:じゃあ次の人。はい、お願いします。