新型肺炎ウイルス分離に成功 感染研が会見(全文1)検査法やワクチンの開発進める
検査法確立時期の見通しは?
読売新聞:見通しとしてはどのぐらい掛かりますか。 脇田:これはこのウイルスのタンパク質に非常に反応性の良い抗体を得るということが重要になります。これからもちろんこのウイルス粒子を使って動物を免疫して抗体を採るということはもちろんやるわけですけども、すでにSARSあるいはMERSに対する特異的な抗体というものがこれまでに開発されています。このウイルス、新型コロナウイルスは非常にSARSに近いウイルスだということがもうすでに証明されていますので、これまでに開発されているSARSに対する抗体というものを使ってまずは検討を始めるということになります。これまでにすでに存在するような抗体を使って、反応が良く見れれば非常に短期間で開発が可能であるというふうに考えています。 読売新聞:だいたいの見通しを。 脇田:もちろん良い抗体さえあれば比較的、ひと月とかそういった単位で開発ができてくると思っております。 読売新聞:そうすると、まずそれを地衛研などに配布することになりますか。 脇田:そうですね、それが、もし迅速診断法というのができれば、もちろん地衛研、そして病院等で使っていただくということになろうかと思います。 読売新聞:普通の病院でも。 脇田:そうですね。あとは、今、核酸の診断法でリアルタイムPCR法をやってますけども、もう少し病院の検査室等でも実施しやすいLAMP法等もありますので、そういったものの検査法の開発ということもこのウイルスを使ってできるというふうに考えております。
Vero細胞はヒトの細胞か?
読売新聞:最後ですが、その細胞、ウイルス、ウイルス【****00:09:30】。 脇田:TMPRSS2というプロテアーゼを過剰に発現させているんですけども、このプロテアーゼというのが発現していると、コロナウイルスが細胞に感染しやすくなるという作用がありまして、これまでもほかのウイルスをこのVeroE6/TMPRSS2細胞を使うと感染しやすいということが分かっていましたので、今回、その細胞を使ったということになります。 読売新聞:これはヒトの細胞なのか。 脇田:これはヒトではなくて、もともとはVero細胞っていって、アフリカミドリザルの細胞になります。サルの細胞になります。これは日本人の方が確立された細胞で、ウイルスの培養等にはすごくよく使われる細胞になります。 読売新聞:そこで増殖させといて、ウイルスの分離っていうことをおっしゃってるんですか。 脇田:はい。ウイルスが分離できたということになります。ほかにどうですか。じゃあ奥の方からどうぞ。