新型肺炎ウイルス分離に成功 感染研が会見(全文1)検査法やワクチンの開発進める
日本で分離に成功したことの意義は?
毎日新聞:毎日新聞の【柳楽 00:03:29】といいます。これまでに中国で出ていた、オーストラリアでも【****00:03:34】分離したということで言うと、あらためて日本で分離した意義ということ。それから、今回は日本人の検体を使った【******00:03:43】。 脇田:まず、もちろん中国で分離を最初にされて、それはもうすでに論文報告になってると。それからオーストラリアのほうでも分離をされたというのが一昨日だったと思いますけども、われわれもそれは承知しています。ただ、ウイルスの共有といいますか、もちろんわれわれもこれから世界、あるいは日本国内で共有をしていきたいと考えていますけども、それなりにやはり時間が掛かってまいります。さまざまな手続き、それから国際条約の制限等がありますので、やはり日本国内でこういったウイルスを持つということが今後の研究、検査等では非常に重要かなというふうに考えています。 それから、どういった患者さんから採られた、分離をされたのかということについては現時点では公表しないということにさせていただいています。 毎日新聞:あと、変異はないと考えて、中国のと同じと考えでいいですか。 脇田:はい。現時点では遺伝子配列は99.9%同一ということですので、同じウイルスと考えられます。ほぼ変異はないというふうに考えます。 毎日新聞:もう1点。技術的にどういうふうにして組織を採った、検体を、どんなやり方が。 脇田:これは咽頭拭い液、あるいは現在、ウイルスを検出していますのが上気道の検体が中心ですので、こちらも同じような検体から分離をされたというふうに聞いております。はい、どうぞ。
日本で検出された検体の中から分離したのか
読売新聞:読売新聞の【ナカイ 00:05:27】と申します。先ほどどなたの検体かというのは言えないということだったんですけども、今、日本で確認されている13例のうちのどなたかということですか。 脇田:はい。もちろん日本で、これは検査をしている中で、ウイルスに感受性のある細胞について、ウイルスが検出されるかということを検査しておりますので、その中で検出されたものですから、これまでに日本で検出された検体の中から分離はされているということになります。 読売新聞:それから先ほど咽頭拭い液と、あと上気道の組織、両方が。 脇田:主に上気道の検体ということで、咽頭拭い液、上気道の検体、それから鼻汁等も検体として用いていますので、これは咽頭拭い液から採れてきてるというものになると思います。 読売新聞:それから、このウイルスを使ってどんなことをやっているかっていうところですけども、これは、まずは何を。 脇田:まずはやはり検査法の確立というのが今、一番、喫緊、重要だと考えています。現在行っていますのが、ウイルスの遺伝子の増幅法によってウイルス遺伝子を検出するということで、最初はコンベンショナルなPCR法を行いましたけども、今はリアルタイムPCR法に移行しています。ただ、やはりリアルタイムPCR法を使いましても、検体をわれわれのほうに運び込んで、それで結果が出るまでに6時間程度掛かりますので、やはり皆さんもご存じのとおり、インフルエンザの迅速診断計のような、より手軽に、短期間に感染の有無を判断できるような迅速診断のキットが今後、診療の場でも求められていくだろうということを考えますと、まずはそういった診断法の開発ということが重要かなというふうに思っております。