Seiが最新ロードマップ「Giga」公開、約50倍の効率化の実現に向け
Seiが最新ロードマップ「Giga」発表
レイヤー1ブロックチェーン「セイ(Sei)」を運営するセイ財団(Sei Foundation)が、最新のロードマップ「ギガ(Giga)」を12月19日に発表した。 「ギガ」は、現在「セイ」のメインネットで利用可能な仮想マシンよりも約50倍の速度に相当する、5 GGAS/s(Gas per Second)という実行速度を実現し、業界最高のパフォーマンスを目指すロードマップであるとのこと。 これによりWeb3領域の開発者は、これまでEVM(イーサリアム仮想マシン)の低効率のために制限されていたWeb2でのアプリケーション開発に求められるレベルのパフォーマンスを必要とする、より複雑なEVM上のアプリケーションを構築できるようになるという。 セイは今年7月に「Sei v2」をメインネットベータ版で公開し、並列実行、高速コンセンサス、最適化されたストレージにより、パフォーマンスの高いEVM互換の仮想マシンを作成した。そのため開発者はイーサリアム(Ethereum)のインフラストラクチャと完全に互換性を保ちながらエコシステムを「セイ」に拡張できるようにしていた。 しかし、それでもWeb2レベルのスケーリングをサポートするには不十分であったため、その改善のためのロードマップとして「ギガ」が今回発表されたとのことだ。 このロードマップは、実行、コンセンサス、ストレージという3つのプロセスに分かれている。 実行のワークストリームでは、EVMの再構築、並列処理の強化、処理オーバーヘッドを最小限に抑えるよう設計された新しいエンコード形式の導入を行うとのこと。 2つ目のコンセンサスのワークストリームでは、トランザクションの順序確定を実行から切り離しスループットとレイテンシを改善すること、ブロック生成の責任を複数の提案者に分散し取引の検閲リスクを軽減すること、データフローを効率化しブロックの確定を迅速化することがタスクとして挙げられている。 3つ目のストレージのワークストリームでは、マークルツリーにおいて非同期状態でのルート生成を可能にすることでスループットを向上させ、メモリ内キャッシュとバッチディスク操作によりトランザクション実行時間を短縮し、データ読み取り速度を向上させるキャッシング技術を採用するとのことだ。 セイ財団はすでにこれらの各ストリームの作業を開始しており、2025年第1四半期末までに大きく進展する予定だと発表している。 「セイ」は、コスモス(Cosmos)エコシステム上に構築されたブロックチェーン。トランザクションの並列処理が可能なEVM互換の高速ブロックチェーンとして評価されている。仮想マシンはウェブアセンブリ(WebAssembly / WASM)およびEVMを搭載しており、コズモワズム(CosmWasm)とEVM用のスマートコントラクトをサポートしている。
田村聖次(幻冬舎 あたらしい経済)