【調査】スマホの返却プログラム、新規制の実態は。iPhoneは「月1円」しぶとく存続、Androidは軒並み値上げで差激しく
通信キャリアのスマホ販売に関する改定ガイドラインが12月26日より施行され、いわゆる「返却プログラム」を利用した端末販売に大きな変化が生じている。規制初日となった26日(都内の大手家電量販店を訪れ調査したところ、端末の種類によって価格への影響に大きな差が出ていることがわかった。 【画像】ドコモの「いつでもカエドキプログラム」では残価変更で負担額が増加するケース多く…掲示内容の一部【表】 ここでの「返却プログラム」とは、端末を「一定期間後に買取(もしくは残価支払)」することを条件に、最新機種をレンタルする、ドコモやau、ソフトバンクが展開している制度。店頭でよく見かける「月額1円」のPOPはこの制度を活用して、買取価格を高値に設定し、一定期間後の残価を高めることで実質負担を大きく減少させている。 総務省などはこの制度において、高値に設定された買取価格が中古市場の相場と大きく乖離していることを指摘し続けており、今回のガイドライン改定ではキャリアに対し、一般社団法人が定める「買取予想価格」を参考に残価を設定することを求めていた。
規制後もiPhoneは特段の負担額跳ね上がりは確認されず
そんな新ガイドライン施行が行われた直後の26日、実際に都内(池袋、新宿エリア)の家電量販店を訪れてみたところ、比較的影響が限定的だったのがiPhoneシリーズだった。 例えばiPhone 15はソフトバンクで「月額205円」auで「月額343円」との表記になっており、25日までに掲示されていた「1円」の表記が消えた一方で、24ヶ月の支払総額は約5,000円程度に収まっているなど、大幅な価格上昇は見られたいない。 そして、注目すべきは二世代前のiPhone 14が軒並み「月額1円」「月額2円」と、25日以前の水準を継続しているという点。型落ちが影響しているからか「カラーは一色のみ(店員談)」といった状況で、在庫僅少になっている可能性もあるが、限定的に「1円スマホ」は存続していた。(なお、各キャリアそれぞれにMNO特典や本体割引の内訳などが異なるため、どれがお得かは利用用途ごとに変わる) 案外大きな影響はなかったiPhoneに対して問題なのがAndroid、特に10万円を超える高価格帯だ。店舗で確認された最も顕著な例では、グーグル「Pixel 9」で、auでは25日まで「月額2円」だったものが「月額1,913円」へと大幅な値上がりに。また、ドコモはオンラインショップではあるが「Galaxy S24」も支払総額が22,055円から40,535円と1.8倍に上昇している。 ■確認できた価格例:ソフトバンク iPhone 16…785円 iPhone 15…205円 iPhone 14…1円 Pixel 8a…326円 ■確認できた価格例:au iPhone 16…726円 iPhone 15…343円 iPhone 14…2円 Pixel 9…1913円 ※上記金額はすべて「返却プログラムを契約し、24カ月経過に端末本体を返却した場合の23カ月目までの実質月額負担額」です