坂戸西、後半の3発で叡明を下し2回戦突破
第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選の1次予選は8月28日、所沢航空公園サッカー場などで31ブロックの2回戦62試合が行われた。8月31日にある各ブロックの代表決定戦勝者が、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)王者の昌平や同予選準優勝の西武台などが登場する決勝トーナメント(10月13日開幕)に進む。 【フォトギャラリー】坂戸西 vs 叡明 H組の坂戸西は後半に3得点して叡明を3-1で下し、代表決定戦で杉戸と対戦することになった。 4-2-3-1の坂戸西は、昨季からのレギュラーであるボランチ谷口友希(3年)が正しく展開を読んで的確なパスを供給。右の郡司颯(3年)、左の切敷信之介(2年)の両MFがスピードを生かして外から鋭く仕掛けていった。 しかし前半は、前日の雨で悪化したピッチコンディションなどもあり、両外に好配給できず、自慢のサイドアタックが不発。決定的なシュートは2本しかなかった。まず32分、主将のFW山地ルアン(3年)が右から絶好の最終パスを上げ、MF眞下亮央(3年)が右足で合わせたがバーを越えていった。追加タイムには郡司の右クロスを左SB緑川大輝(3年)が狙ったが、これもわずかにバーの上だった。 3-5-2の叡明はなかなか敵陣深くにまで進入できなかったが、少ないチャンスをシュートにまで持ち込み、前半に2度の決定機をつくった。まず19分、MF濵優真(3年)が右ウイングバック川村昊大(3年)の右クロスからヘディングシュート。惜しくもバーをかすめた。アディショナルタイムには、左ウイングバックの内村琉聖(2年)がゴール前の混戦から決定打を放ったが、わずかに右ポストをなめるように外れた。 前半のシュートは坂戸西が6本で、叡明が2本だったが、試合内容はほぼ互角。0-0で折り返した。 坂戸西の吉田誠監督はハーフタイム、自分たちのグラウンド状態を観察し、こんな指示を送ったそうだ。まさに地の利を生かしたと言える。 「相手陣地の深くではボールが絶対に止めるので、後半はどんどんゴールに向かってプレーしていこう」 10分、このアドバイスがまんまと図に当たった。少し長いかと思われた谷口のロングパスが敵陣で止まった。これを拾った山地が長い距離を走り抜き、最後のマーカーをかわして完ぺきなシュートをゴール左隅に蹴り込んだのだ。「監督の指示した通りになりました。DFを抜いてから中央に入り、キーパーの位置をしっかり確認して打ちました。なかなか得点できなかったので、すごくうれしかった」と満面に笑みを浮かべながら解説した。