再開J2で無観客ゆえの珍事!ジュビロ監督の指笛指示が「主審の笛と勘違いしかねない」と”禁止”…完敗に「影響はない」
フベロ監督が指笛を鳴らすのは、もちろんサンガ戦が初めてではない。パラグアイで指導者としてのキャリアを積み重ね、昨年8月にJ1の最下位にあえいでいたジュビロの監督に就任。派手なジェスチャーと指笛は情熱的な性格が反映された立ち居振る舞いとして、瞬く間に指揮官の象徴と化した。 ジュビロは最下位でJ2へ降格したが、どん底状態にあったチームを建て直したとして続投が決定。1年でのJ1復帰を合言葉に今シーズンに臨み、2月23日のモンテディオ山形との開幕戦を2-0で快勝した直後に、感染拡大の一途をたどっていた新型コロナウイルスの影響でJ2リーグも長期中断を余儀なくされた。 迎えた再開初戦で、政府の指針に沿って採用された無観客試合改めリモートマッチが、これまではスタンドの歓声にかき消されてきたフベロ監督の指笛をクローズアップさせた。 冷静に耳を傾ければ聞き分けられるかもしれない。しかし、間断なくプレーが展開されているピッチ上では、無我夢中の状態にある選手たちが混同してしまうおそれがゼロではない。異例にも映る谷本主審の要請を、指揮官も異論なく受け入れた。 試合再開へ向けて谷本主審、村井副審が所定の位置へ向かった直後だった。小屋第4審判員から「よろしくお願いします」と念を押され、了解しました、と言わんばかりに小さく頭を下げたフベロ監督は、オンライン形式で行われた試合後の会見で十八番だった指笛をめぐるやり取りをこう振り返っている。 「そのようなルールがあることは知りませんでした。ただ、そのルールを(今日の)審判が決めたとしても、自分は審判をリスペクトしたいと思っています」 公式戦再開へ向けてJリーグが定めた、70ページで構成される「新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」のなかには、ベンチで監督やコーチスタッフ、リザーブの選手たちが鳴らす指笛を規制する記述はない。ゆえにフベロ監督も、会見のなかで「そのようなルールが――」と言及したのだろう。