【闘病】排便のたびに便器が血に染まる。30代で「S状結腸がん」発症、症状を放置した結果…
食事ができるのは当たり前ではない
編集部: 実際の治療はどのように進められましたか? ぽかりすうぇっとさん: 家族と話し合い、手術はがん専門の病院で受けました。腹腔鏡手術で人工肛門をつけない形で無事に終わり、目に見えるがんを全て取り除いてもらいました。手術前「ステージ2か3であれば、抗がん剤治療はしなくてもいい場合もある」との話でしたが、手術中に米粒2つほどの腹膜播種が発見され、「ステージ4」となってしまいました。そのため、術後1カ月から通院で抗がん剤治療を開始し、約半年間続けました。今は4か月に1回検査をしながら経過観察中です。 編集部: 受診から手術、現在に至るまで、何か印象的なエピソードなどあれば教えてください。 ぽかりすうぇっとさん: 妊娠した辺りからずっと、氷を食べるのがやめられませんでした。妊娠を経験した女性にはよくあるとのことでしたが、それは貧血からくる「氷食症」というものです。私の場合は、がんによりS状結腸の出血が止まらず、貧血になっていたのかもしれません。 編集部: 病気の前後で変化したことを教えてください。 ぽかりすうぇっとさん: がんがわかってから、食事はなるべく手作りで消化の良いもの、野菜中心を心がけるようになりました。なにより、食事ができるのは当たり前ではなく「食べられる事は幸せ」と常に感じられるようになりました。家族には対しても素直になり、感謝の気持ちを口に出して伝えるようになりました。ただ、子どもたちには病気のことをきちんと話せておらず、近所の方々にも病気のことは一切話していません。そして、病気を経験してから、周囲の楽しそうに見える人も何かしらとと戦っているんだろうなと思うようになりました。 編集部: 今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか? ぽかりすうぇっとさん: たくさん後悔していることがあります。「子どもに手がかかるから」と自分の受診を先延ばしにしたこと、「まだ若い」とがん保険に加入していないこと、一度診断されただけで、何年もそのままにしてしまったこと……。定期的に検査をしていれば、ステージが進む前に発見できたのではないかと思ってしまいます。大腸がんは、早期にがんを発見して治療を行うと、5年生存率が高いということが知られています。病気の早期発見はとても大事だと実感しています。