【個別株を選ぶ前に!】プロが必ずチェックする20の情報とその見方
# 3.純利益と純利益率
純利益は、営業利益から金融収支や特別損益、税金などを差し引いた最終的な利益です。純利益率[売上高当期純利益率(%)=当期純利益÷売上高×100]は、企業が売上からどれだけの最終利益を得ているかを示します。純利益が安定して増加している企業は、財務の健全性が高く、株主への還元余地も大きいと考えられます。
# 4.一株当たり利益(EPS)
EPS(Earnings Per Share)は、企業の純利益を発行済み株式数で割ったもので、一株あたりの利益を示します。EPSが高い企業は、株主にとっての利益が大きいと評価されます。また、EPSの成長率を追跡することで、企業の利益成長性を評価できます。EPSが継続的に増加している企業は、将来的な株価の上昇が期待できるかもしれません。特に米国企業の決算では収益とともに注目される数字です。
# 5.株価収益率(PER)
PER(Price Earnings Ratio)は、株価をEPSで割ったもので、株価が一株当たり利益の何倍になっているかを示します。PERが高い場合、市場がその企業の将来の成長性に高い期待を寄せていると解釈されます。しかし、PERが高すぎると過大評価されている可能性もあるため、同業他社や市場平均との比較が重要です。
# 6.株価純資産倍率(PBR)
PBR(Price Book-value Ratio)は、株価を一株当たり純資産(BPS)で割ったもので、株価が純資産の何倍になっているかを示します。PBRが1倍以下の場合、株価が純資産よりも低く評価されていることを意味し、投資家から割安と判断されることがあります。ただし、業種によって適正なPBRは異なるため、業界平均との比較が必要です。2023年3月末に東京証券取引所は上場会社を対象に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を実施しましたが、そのなかでPBR1倍割れは資本コストを上回る資本収益性を達成できていない、あるいは成長性が投資者から十分に評価されていないことが示唆される1つの目安とされています。