「恥ずかしい…」と放置するな『尿漏れ』に潜む病気の可能性、注意すべき症状とは
男女ともに、意外に悩んでいる人が多い尿漏れ。「尿漏れが気になって外出ができない」という人も多いのではないでしょうか? 尿漏れは医療機関で治療を行うことによって改善が期待できます。 【イラスト解説】夜間頻尿の原因や治し方・セルフケア方法 どんな症状が見られたら受診すれば良いのか、ゆきがや泌尿器クリニックの三山先生に詳しく教えてもらいました。
「尿漏れ」とは?
編集部: 尿漏れとはなんですか? 三山先生: 尿漏れとは尿失禁ともいい、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうこととされています。尿漏れというと高齢者が悩む症状というイメージがあるかもしれませんが、実は年齢に関係なく多くの人が悩まされています。 編集部: 尿漏れの原因はなんですか? 三山先生: 尿漏れとひとくちに言っても、さまざまなタイプがあります。医学的には、大きく以下の4つに分類されます。 (1)腹圧性尿失禁 (2)切迫性尿失禁 (3)溢流性(いつりゅうせい)尿失禁 (4)機能性尿失禁 編集部: それぞれどのようなものですか? 三山先生: (1)腹圧性尿失禁とは、重いものを持ち上げたときや走ったとき、ジャンプをしたとき、咳やくしゃみをしたときなどに尿漏れが起きるタイプ。これは主に骨盤底筋群という筋肉が衰えていることによって起こります。 編集部: 切迫性尿失禁とは? 三山先生: 急に尿がしたくなって、我慢できずに漏れてしまうことを(2)切迫性尿失禁と言います。その最大の原因は過活動膀胱。これは膀胱のセンサーが過敏になって、尿が十分に溜まっていなくても強い尿意を感じる疾患のことを言います。 そのほか脳血管障害や、女性では膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も切迫性尿失禁の原因になることがあります。男性では前立腺肥大症も原因になります。 編集部: ほかの2つについては? 三山先生: (3)溢流性尿失禁とは、膀胱のセンサーが鈍くなり、知らないうちに膀胱のなかに尿が溜まってしまい、限界を超えて漏れたときに初めて尿漏れとして自覚されるもののことを言います。糖尿病性の末梢神経障害が代表的です。 また、(4)機能性尿失禁とは排尿機能は正常にもかかわらず、身体運動機能の低下や認知症が原因で起きる尿失禁のことをいいます。