スポーツドリンクを多飲した中学生が倒れて搬送…ドカンと血糖値を上げる「液体の糖質」の怖さを糖尿病専門医が解説
◆ペットボトル症候群 気をつけてほしいのは、健康に良さそうな野菜ジュースやスポーツドリンクにも糖質がたくさん含まれていることです。 実際に、学校の部活動でスポーツドリンクを多飲していた中学生が、いきなり高血糖で昏倒(こんとう)し、救急車で搬送された事例も報告されています。 こうしたケースを「ペットボトル症候群」と呼びますが、若くして重症の糖尿病を発症しているわけで、実に深刻な問題です。 たとえば、コカ・コーラはペットボトル500mLの場合、56.5グラムの糖質を含んでいます。これは、角砂糖14個分に相当します。 とくに炭酸が入っている飲み物は、清涼感にごまかされ甘さに気づきにくくなります。 しかし、ためしに蓋を開けたまま放置し、炭酸が抜けた状態で飲んでみると、砂糖水のような甘さに驚くはずです。 つまり、清涼飲料水は、自分が想像しているよりも遙(はる)かに多くの砂糖を摂ってしまう飲み物なのです。
◆水は飲めば飲むほど腎臓に良い 缶コーヒーも、ほどよい苦みがあるがゆえに、甘すぎることがわからなくなります。 こうしたものを日常的に口にしていると、簡単に糖質中毒に陥ります。 仕事を途中で抜け出し、限られた喫煙所で一心不乱にタバコを吸っている人たちは、ニコチン中毒(依存症)に陥っています。 同様に、あるタイミングで缶コーヒーなどを飲むのが決まりになっている人もまた、糖質中毒である可能性が高いのです。 まずは、液体の糖質を「厳禁」とし、ペットボトルの飲料でも、ミネラルウォーターや糖質の入っていないお茶類を選ぶ癖をつけてください。 なお、清涼飲料水のシュワシュワした刺激が好きな人は、ハイボールなどをつくるときに使う「炭酸水」を飲んでもいいでしょう。 なんの味付けもしていない炭酸水なら、余計な糖質を摂ってしまう懸念はありません。 水は飲めば飲むほど腎臓に良いということが研究で分かっています。 できれば一日2リットル以上の水分を摂るように心掛けましょう。 ※本稿は、『疲れない体をつくる最高の食事術』(小学館)の一部を再編集したものです。
牧田善二
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