冬山のベースレイヤーを検証!パタゴニアのキャプリーンが選ばれる理由を考えてみた|PEAKSギアレビュー
冬山のベースレイヤーを検証!パタゴニアのキャプリーンが選ばれる理由を考えてみた|PEAKSギアレビュー
冬山登山でもっともこだわりたいウエアがベースレイヤーだ。快適さの向上だけでなく、汗冷えや低体温症といった命に関わるリスクを防ぐためにも、適切な選び方が求められる。 本記事では、多くの登山者に支持されるパタゴニアのキャプリーンシリーズを取り上げ、実際にフィールドで検証した使用感を紹介する。 ベースレイヤー選びは私も毎回頭を悩ます部分だ。そこで、年末年始休のスキー・スノーボードトリップを活用して、キャプリーン・ミッドウェイト・クルーとキャプリーン・サーマル・フーディの2着を着用してみた。 選んだ段階である程度の着地は見えていたが、新たな気付きもあったのでお伝えしたいと思う。 文・写真◉宮上晃一(PEAKS編集部)。
冬山のベースレイヤー選び|重要な役割とパタゴニア製品の魅力とは?
登山はそのスタイルや行程によって運動強度は変わるが、日帰り装備かつたまに急な傾斜が出てくるようなルートでは、1時間でおよそ300~500kcalを消費すると言われている。これはウォーキング(時速5km程度)とランニング(時速8km程度)の中間くらいの運動強度に相当する。 もちろんそれなりの汗をかく。汗の量は人によってまちまちだが、このかいた汗をいかに処理するかが登山時の重ね着(レイヤリング)にかかっており、いちばん肌に近いウエアであるベースレイヤーの選び方によって、行動時の不快感、風に吹かれた際や休憩時の汗冷えの影響が変わってくる。 そこで、冬山のベースレイヤーに求められるポイントをまとめてみた。それは以下の4つだ。 ■吸汗速乾性:運動中の汗を素早く吸収し、拡散・蒸発させる ■保温性:寒冷地でも体温をしっかり維持する ■通気性:汗を効率よく放出し、ムレを防ぐ ■防臭性:長時間の活動でも臭いを抑える。 これらの機能がバランスよく備わっている製品こそ、冬山のベースレイヤーとして理想的だ。パタゴニアのキャプリーンシリーズが登山者からとくに高い評価を受けている理由はここにあると考えられる。 私は冬季の山行の際、これまでメリノウールをメインとしたベースレイヤーを愛用してきた。ウールの利点といえば、湿度調整と防臭効果、肌当たり(汗をかいても冷たく感じない)で、個人的にも汗をかいた際の肌がヒヤッとする感じを嫌厭し、化繊のものを着用する機会は少ない。 ただ昨今の物価高から、なかなか新たなウールベースレイヤーにも手が出ない。そこで思い立ったのが化繊ベースレイヤーの見直しである。 加えておくと、私は汗をかきやすいほうだ。ウールは気に入っていたが完璧とは考えておらず、とくに熱がこもる感じは解消したいと思っていた。その点も踏まえてレビューしていきたい。