猫の爪切りが苦手な飼い主さんは約6割 爪切り嫌いな猫への対処法を獣医師が解説
猫との安全な生活を保つために必要なお手入れのひとつ「爪切り」。 ねこのきもちWEB MAGAZINEが実施したアンケートでは、62%の飼い主さんから「猫の爪切りをするのが苦手」と回答がありました。 そこで今回は、爪切りの必要性や爪切り嫌いな猫への対処法を、ねこのきもち獣医師相談室の山口みき先生に伺いました。 【写真】爪切りをしているアメリカンショートヘア。目を閉じて我慢中?
猫の爪切りに関するアンケート
爪切りが苦手だと答えた飼い主さんは、実際にどのようなことが苦手だと感じているのでしょうか。 寄せられた回答をご紹介します。 「猫が嫌がる。お互い危険!」 「猫が嫌がるので一度に1、2本しか切れない」 「時々とても嫌がるため苦手です」 「血管を切ってしまいそうなのと、嫌な思いをさせてしまい、ネットとカラーで対策して動物病院に行っています」 「猫がじっとしていなく、なかなか切れない」 「爪切りを噛んだり、手を触るとふりほどいたりするので、切りにくい」 「猫が嫌がって暴れる」
【獣医師解説】猫の爪切りの必要性と、爪切り嫌いな猫への対処法
アンケート調査からも、猫の爪切りに苦手意識をもっている飼い主さんが多い印象ですが、そもそも猫の爪切りはどのような理由から必要なのでしょうか。また、爪切りを嫌がる猫への対処法はあるのでしょうか。 ねこのきもち獣医師相談室の山口みき先生に教えていただきました。
猫の爪切りが必要な理由
――猫の爪切りを行うべき理由を教えてください。行わなかった場合、どのようなリスクがありますか? 山口先生: 「猫の爪は狩りの武器ですからとても鋭いです。屋外生活では役に立ちますが、室内飼育の場合は爪が伸びすぎるとカーテンなどに引っかけてしまい、爪が折れたり抜けたりしてケガをすることがあります。また、飼い主さんや家具を傷つけてしまうおそれもあるでしょう」
爪切り嫌いな猫への対処法
――爪切りが苦手な猫への対処法を教えてください。 山口先生: 「前提として、猫が嫌がるならすぐにやめて無理強いはしないこと。おやつを与えながら行うか、上手にできたあとは必ずおやつを与えましょう。 まずは足先にやさしくさりげなく触れます。指に触れるようになったら、指先をやさしく押して爪を出します。爪が出せるようになったら、爪切りの刃の部分を爪にそっとあてます。抵抗なくできたら、爪の先端を1本だけ切りましょう。 先端のとがった部分を切るだけで十分なので、短くすることはあまり意識しなくてOK。愛猫の反応を見ながら行ってください。前足は比較的嫌がるコが多いように思いますので、後ろ足からトライするといいかもしれません。 なお、慣れるまでに数年かかることも少なくありません。すぐにできるようになると期待せず、じっくり根気よく取り組みましょう」
どんな爪切りを使えばいい?
――おすすめの爪切りの形状を教えてください。 山口先生: 「最初はハサミ型が使いやすいと思います。慣れてきたらギロチン型を試してみてもいいでしょう」 愛猫を思わぬトラブルから守るため、少しずつでも爪切りに慣らしていきたいですね。ごほうびや道具を上手に使って、苦手意識を克服していきましょう。 (監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・山口みき先生) 取材・文/東みお ※アンケートコメントは飼い主さんがご自身の体験を回答したものです。 ※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。 ※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
ねこのきもちWeb編集室