〈再発見!〉バラ専門誌編集長に"和"の植物の魅力を聞く【私の植物偏愛記・12月号こぼれ話】
ムクゲ'白祇園守(しろぎおんまもり)' 「祇園守」は花の中央蕊(しべ)が十文字になったり少し乱れたりする咲き方。'白祇園守(しろぎおんまもり)'は和紙のような花弁。株は京都の祇園祭りのとき八坂神社で入手しました。一重も好きですが、この咲き方だと優雅な華やかさが増す感じがします。
ツバキ'式部(しきぶ)' この咲き方は「唐子咲き(からこさき)」。おしべまたは葯が小さな花弁に変形した咲き方。'式部(しきぶ)'は、唐子の縁に白い絞りが入ります。赤い花弁との対照が優美でバランスが端正です。まだ寒いうちから咲き始め、暖かさを感じさせます。
ウメ'八重寒紅(やえかんこう)' 八重の濃い紅色の花は、年によりお正月から開花。「白梅は香り、紅梅は色」といいますが、この品種には白梅の馥郁(ふくいく)な香りに対して、甘酸っぱい香りもあります。梅雨時に細長い実も成り、酢に漬けてそのエッセンスを「梅ジュース」にしたりしています。 気になる品種があれば、ぜひ育ててみてください。
玉置一裕(たまおき・かずひろ) バラ専門誌編集長。2005年にバラの専門誌を創刊して編集長に。講演、執筆活動のほか、'ガブリエル'など110品種以上のバラの命名やコーディネートにこれまで携わってきた。日本ばら会会員。 ●『趣味の園芸』連載 「私の植物偏愛記」 本誌で活躍する講師のみなさんに、「愛好家」としてのお話を聞いていきます。「こんな植物が好きだったのか」と意外な側面を発見しつつ、植物に対する熱い思いもたっぷり教えてもらいましょう。 12月号掲載・第9回では、玉置一裕さんにマツバランについてお話を伺いました。 写真は、ご実家の床の間にてマツバラン'真大捻(しんのおおひねり)'を愛でる玉置さん。「みんなの趣味の園芸」で募集したみなさんからの伝統園芸植物の写真も、玉置さんのコメントとともにご紹介しています。テキストでご覧ください!