生活習慣病の改善に必要な「運動療法」と“我流”では何が違うの?【医師解説】
運動療法とは具体的に何をするのか?
編集部: 具体的に運動療法とはどのようなことを行うのですか? 布目先生: 有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチングなどの種類があり、症状や疾患、体力、年齢などに応じて選択します。 これらを行うことによって、エネルギーを消費して肥満を解消したり、筋肉量や筋力を改善して代謝をあげたり、運動機能を高めたりすることを目指します。 編集部: 有酸素運動とはどのようなことを行えば良いのですか? 布目先生: 私がよく患者さんにおすすめしているのは、歩くようなスピードで行うスロージョギングやゆっくり踏み台を昇降するスローステップです。体力に自信のない高齢者でも安全に行うことができ、有酸素運動としても有効です。 編集部: 自分で行う運動と運動療法は違うのですか? 布目先生: 運動療法は理学療法士や医師の指導のもとで行われる運動のことをいいます。運動療法の目的はあくまでも疾患の治療や予防です。そのため運動療法においては、専門家による身体評価や日常生活における指導が重要になります。 編集部: 具体的に、どのような指導をお願いできるのですか? 布目先生: 理学療法士や医師による運動療法では、「運動の種類」「運動の強度」「持続時間」「実施時間帯」などに考慮して指導が行われます。 また、運動療法を行う際には、たとえば糖尿病の患者さんであれば、低血糖にならないようにあらかじめ防止策を講じておくなど、準備が必要なこともあります。自分で運動を行い、低血糖などの事態が起きると危険です。 その点、専門家の指導のもとで行えば、疾患や怪我のリスクもコントロールしてもらうことができます。 編集部: 運動療法はどこで行うのですか? 布目先生: 医療機関の中に運動施設が備わっていれば院内で行われることもありますし、指導者が常駐している民間の運動施設や保健センターなどでも行われます。もちろん、先述の指導の下であれば家庭や自宅近くの公園など、どこでも行うことができます。