熾烈なJ残留争い…キーマンは?どこが生き残る?
湘南との直接対決へ繋げる意味でも、セレッソ大阪との今節を皮切りに神戸、FC東京と続く3試合がカギを握る。卓越したキャプテンシーと明晰な頭脳で、ピッチ上の監督のような存在感を放つ33歳の岩尾が振るうタクトにより比重がかかってくる。 大分は6シーズン目の指揮を執る片野坂知宏監督が、最終ラインから丁寧にパスを繋ぐ理想をかなぐり捨て、守備重視の現実的な戦いにシフトした9月以降で3勝2分け1敗と巻き返し、残留圏の湘南と勝ち点で3ポイント差の18位につけている。 6試合で失点をわずか「2」に抑え、数少ないチャンスを得点に結びつけてきた。一時的にせよJ3時代から積み上げてきたスタイルを180度転換させ、結果だけを求める片野坂監督の心中を察するように、キャプテンのGK高木駿がチーム状況を説明する。 「いまはすごくいい形でひとつにまとまって、ストレスなく試合に臨めている。そのなかで自分は守備の人間なので、まずは失点しないことを続けていきたい」 ホームで確実に勝ち、敵地では引き分けも辞さない戦いを徹底してきたなかで、今後は敵地でも勝ち点3を手にしなければいけない。敵地に乗り込むアビスパ福岡との今節、鹿島との第36節、柏レイソルとの最終節がカギを握ってくる。 今節の神戸を含めて名古屋との次節、鹿島との最終節と上位勢との対戦が続く仙台は、湘南に5ポイント離されている現状を含めて厳しい状況に置かれている。 もっとも、追い詰められている分だけ、チーム全体の意思は統一されている。サンフレッチェ広島との前節で約2年ぶりとなるゴールを決めて先制点をもたらし、2-0の快勝に導いた35歳のベテラン、MF関口訓充の言葉がすべてを物語っている。 「もう自分たち次第だと思っている。残り試合で全勝して、それでも残留できなければしょうがない。開き直って、思い切って戦うしかないので」 仙台と入れ替わって再び最下位に落ちた横浜FCは、6チーム中でワーストの「-40」に達している得失点差が大きなハンディとなる。3位を目指す神戸に加えて、前半戦で大敗を喫した鳥栖、札幌との戦いを今後に残している点も気がかりだ。