熾烈なJ残留争い…キーマンは?どこが生き残る?
仲間たちに覚悟を求めた権田は、チーム唯一の全33試合に先発フル出場中。FC東京に敗れれば初めての3連敗となり、3位を目指す浦和との第37節を含めて、今後の戦いへ響きかねない。悪い流れを食い止める意味で、古巣との一戦は重要な意味を持つ。 清水に1ポイント差の勝ち点31で16位につける湘南は、6チームのなかで最も勢いに乗ろうとしている。理由は残留を争う横浜FCとの直接対決、いわゆる「シックス・ポインター」で2-1の逆転勝利をもぎ取り、降格圏を脱出した前節にある。 9月に就任した山口智監督のもと、6試合目にして初勝利をあげただけではない。得失点差「-6」は残留を争う6チームのなかで桁がひとつ少ない。開幕前からコーチとして守備力の強化に取り組んできた山口監督へ選手たちは厚い信頼を寄せ、勝利を介して絆はさらに深まった。横浜FC戦で決勝ゴールを決めたMF山田直輝は言う。 「内容がいいのに勝てないとか、引き分けに持ち込めない試合が多かったなかで、一番苦しかったのは智さんだと思うので。智さんはいつも僕たちを信じると言ってくれるし、僕たちも結果が出ずに暗くなることがあっても、そのなかで手応えを感じていた。ひとつ勝てたことで、ここからみんなで上を向いていけると思っている」 今節の北海道コンサドーレ札幌戦以降は、残留を争う仙台と第36節を敵地で、徳島と第37節をホームで戦う。相手も必勝を期して目の色を変えてくる「シックス・ポインター」を乗り越えれば、歓喜の瞬間も近づいてくるはずだ。 徳島は大分との「シックス・ポインター」となった前節で引き分け、湘南に抜かれて降格圏へ順位を下げた。J2を戦っていた2017シーズンからキャプテンを担ってきたボランチの岩尾憲は「悪い試合内容のときは、決まって弱気なプレーが出てきてしまう」と、チームが抱える課題解消を残留への起爆剤に変える青写真を描く。 「弱気なプレーがメンタリティーによるものなのか、戦術によるものなのかはもっと細部まで分析しないといけない。ただ、勝つことが目的で戦術は手段のはずなんですけど、戦術が目的化しているところからは少し脱さないといけないと思っている」