21歳で身体にガタ、10時間睡眠は必須…「若いのに体力がない」29歳女子が「体力ありき」の社会に思うこと
世界の中心が膝になっていた
このような数々の不調の中でも、26歳の時に膝が痛くなったのが、我が虚弱体質人生におけるエポックメイキングな出来事だったと言えよう。 最初は、信じたくなかった。大腿四頭筋(太ももの前側)が弱すぎて膝の靱帯に負担がかかっていると整形外科医に言われた。子供の頃に運動をしなかったせいか筋肉がつきにくい自覚はあったものの、筋力不足で膝が痛い26歳は、さすがにショックだった。 10分程度の歩行すらままならず、何をしても膝のことを思うようになった。神社の長い階段や古民家の急勾配の階段、起伏に富んだ街などを見るたびに、真っ先に膝への負担を考えてしまう自分がいた。自分の世界の中心が膝になっていた。 若さって、膝が痛くないことだったんだ……とすら思うほど、健康がなければ何もできないことをそれ以前よりも痛感し、重い腰をあげて大腿四頭筋を鍛え始めた。前述の通りもともと運動が苦手なので、体育の授業などでは散々な目に遭ってきたし、先生にすら笑われたことを思い出したりしながらも続けたところ、わかりやすく結果は出た。膝は痛まなくなり、筋肉量が増えて代謝が上がった。
試行錯誤した「健康的な生活」
また、同時期にラジオ体操を始めたことと、食事を改善したことも大きい。もともと特に不摂生というほどではなかったのだが、朝晩2回ずつのラジオ体操第一と、自炊を中心に1日3食栄養バランスの取れた食事をし始めてから、目に見えて健康になった。身体が軽くなり、毎日のように起こっていた腹痛がなくなり、何もできないほど眠い日が減った。発熱や腰痛もなくなった。メンタルの調子が悪い日も減り、浮き沈みのある低空飛行ながらも、ドン底まで沈む時期が短くなった。 普通に健康に良いとされることを普通にやれば健康になれるんだ、という実感が、私に希望をもたらした。 これで私も人並みに健康になれるのではないかという期待を一時は抱いたりもした。上記の運動や食事はもちろん、血行を良くするために夏でも毎日湯船に浸かることも習慣化し、筋トレも増やし、23時前には就寝し、その他にも白湯や青汁やサプリメントを飲んでみたり運動だけでなくストレッチにも励んでみたりと試行錯誤しながら、この数年、極めて健康的な生活をしてきた自負がある。 にもかかわらず、未だ、人並みには程遠い。