21歳で身体にガタ、10時間睡眠は必須…「若いのに体力がない」29歳女子が「体力ありき」の社会に思うこと
幼少期から虚弱体質なわけではない
幼少期から虚弱体質だったかと言えば、そうでもないように思う。少なくとも体育の授業を見学するような病弱なタイプではなかった。運動は苦手で、体力テストは全種目クラスでビリかビリから2番目だったが、日常生活に困ることはなかった。身体の病気もアレルギーもないし、風邪も引きにくいのは今も変わらない。 何かが狂い始めたのは、小学校高学年からだと思う。十分な睡眠をとっているのにもかかわらず授業中眠くなり、幼少期と比べて集中力が落ちたように思える。 高校に入学した頃、咳が止まらなくなり、病院で検査をしたものの原因不明で吸入薬も効かず、肺の収縮により負担がかかった結果肋骨が折れたりもしたが、それでも20歳までは若さで概ね何とかなっていた。 本格的に日常生活に支障をきたし始めたのはやはり大学3年の21歳頃。1日10時間以上寝ても眠く、授業中もバイト中も居眠りしてしまうようになった。そのうちに夜間は眠れなくなり、寝るべき時に眠れず起きるべき時に寝てしまう状態が続き、元々は規則正しかった生活リズムが崩壊し、抑鬱も酷くなった。精神科に通院し、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた。数々の不調はASDの二次障害という解釈もできるが、医者の当たり外れが激しい精神科ガチャでハズレしか引いたことがないので、特にこれといった見解を得られないまま、転院したいと思いつつ転院するための体力がない状態が数年続いてしまっている。
賃労働は人並みの体力が前提とされている
一般雇用の会社員としてやっていく自信がなかったため、障害者雇用での就職を目指すも、体力がなく生活リズムが不安定だという理由によりハローワークで門前払いされたことがある。障害者雇用でさえ賃労働がいかに人並みの体力と朝型を前提としているかを思い知った。 仕方なくフリーランスのライターとして細々と働くようになったのだが、虚弱体質でも自宅の机で頭を使う仕事なら問題なく務まる、というわけでは決してない。個人差が大きいとは思うが、頭も所詮身体の一部であるというのが私の実感である。身体の調子が悪ければだいたい頭の調子も悪く、語彙が減って速度も落ちる。体調が良ければ頭の調子も良く、最も悪い時と最も良い時で効率は体感5倍くらい違う。もっとも、調子の良い時なんて一年間で合計2ヶ月くらいしかないのだが。