NBA電撃復帰時に着用した「AIR JORDAN 11(エアジョーダン11)」の知られざる新事実とは
マイケル・ジョーダン本人もパテントレザーを用いた上品で洗練されたデザインをいたく気に入り、試合で履かないようにと言われていたプロトタイプを試合で履いてしまい、それがシューズのリリース前だったため、一部のスニーカーフリークの間で話題になったとか。 ティンカー・ハットフィールドのもとにも電話や手紙で“ジョーダンが履いている、あのシューズが欲しい”と多数のリクエストが寄せられたそうだ。鎌本さんは続ける。 「ネットなどの記事を見ていると、『エアジョーダン11』の開発にあたり、マイケル・ジョーダンが“フォーマルシューズのようなデザインのシューズが欲しい”とリクエストしたと書かれていますが、これは事実ではないようです。 当時のティンカー・ハットフィールドのインタビュー記事を読むと、とにかく“光沢のある素材を使いたい”とリクエストしたのは本当で“フォーマルシューズ”というキーワードは『エアジョーダン11』のローカットの開発で語ったエピソードのようで、それが混ざって、『エアジョーダン11』の誕生秘話で語られたものとして取り上げられているようです。
実はもうひとつ面白いエピソードがあります。『エアジョーダン1』のカラーがNBAの規定に違反して、ナイキが罰金の肩代わりをしたという話は有名ですが、実は『エアジョーダン11』でもマイケル・ジョーダンは罰金を払いながら履いていたそうです。 これは彼が“選手はチーム全員が同じ色のシューズを履かなくてはならない”というNBAのルールに違反して、完成間もない『エアジョーダン11』を履いたために、罰金が科せられることになったそう。ただ、その後すぐに黒ベースの“ブレッド”カラーも作られたため、何試合も罰金を払い続けながら履くということはなかったみたいです」 初耳なエピソードも多いが、マイケル・ジョーダンがNBAに電撃復帰し、急遽シューズの開発に取り掛かるなどイレギュラーなことが多かったのが、その要因だろう。 鎌本さんの話によると「エアジョーダン11」からプレイヤーズモデル(選手だけが着用する特別仕様で一般には販売しないモデル)が少しずつ出てくるようになったとのこと。マイケル・ジョーダンとはライバル関係である選手もこぞって「エアジョーダン」シリーズを履くようになったのは、バスケットシューズとしての機能が抜きんでていた証でもある。 マイケル・ジョーダンのNBA復帰のタイミングでリリースされた「エアジョーダン11」は、その後も“至高のシューズ”として伝説を作っていくのだ。