なぜ苦戦?メイウェザーがYouTuberポールとの異例エキシビションでKO決着どころかダウンも奪えず会場は大ブーイング
執拗なクリンチワークにイライラが頂点に達したのだろう。 戦法を変え、至近距離から左ボディを狙うが、ポールにニヤつかれる始末。そして44歳のメイウェザーのスタミナも切れてきた。現役時代に得意としたL字ガードに切り替えて、距離を詰めるが、肝心の手が出ない。体重差に苦しみ、ポールの密着戦をステップワークでクリアすることもできなかった。 もし採点をつければ、1ラウンド以外は、メイウェザーが繰り出した単発の左フック、右ストレート、右アッパー、左ボディなどが、効果打として評価され、ほぼフルマークだったのだろう。だが、“素人”を相手にポイントアウトで勝っても勝利とは呼べない。 「彼には経験がなかったが、体重差を生かして戦おうとした」 那須川天心とのエキシビションマッチでは、3度のダウンを奪っての秒殺で世界にインパクトを与えたメイウェザーだが、話題性と金に目がくらんでの3年ぶりのリングでは、その名声に傷をつける形になってしまった。 リングサイドでは、ボクシング技術は、兄より上とされ、ここまで元NBAのスターや元UFC世界ウェルター級王者のタイロン・ウッドリー(米)を倒してきた同じくYouTuberの実弟、ジェイク・ポール(24)が大騒ぎしていた。 リング上で司会者に「次にジェイクとの試合はどうか?」と質問されたメイウェザーは「みんなと相談するよ。先のことはわからない。オレは21歳でも25歳でもないんでね」と即答を避けた。 一方のポールは「決着のつかなかったメイウェザーとの再戦は?」との質問に「どうかな。わからない」とこちらも答えなかった。 ちなみにメイウェザーは、日本の総合格闘技団体「RIZIN」を窓口に延期となっている格闘技イベント「MEGA」との出場契約を結んでおり、早ければ東京五輪後の9月にも東京ドームでのエキシビジョンマッチに出場するプランが練られている。対戦相手はYouTuberとしても人気の総合格闘家、朝倉未来が最有力とされているが、もし実現すれば、ポール戦の汚名返上のためにしゃかりきになってくるのかもしれない。