新年度の始まりにオススメしたい神社参り そもそも神社って何するところ?
毎朝の通勤電車に、真新しい制服を着た中高生や初々しいスーツ姿の新社会人たちが仲間入りする季節となりました。春は、多くの人々にとって新生活の始まる季節。新入生や新入社員、新年度から新しい土地で仕事や生活を始める人など、みな、期待半分、不安半分でこれからやってくる日々を思い巡らせています。そんなフレッシュなみなさまに、あえて古風な神社参りをオススメしたいと思います。
神社はお願いをする場所? いえいえ、それだけではありません
私が奉職する日本橋の福徳神社は、別名を「芽吹稲荷」といいます。その昔、徳川二代将軍秀忠公が春先に当社に詣でた際、クヌギの原木を用いた鳥居から新芽が萌え出ているのをご覧になり、これはめでたいことであると喜ばれて下さった名です。 春の芽吹きという名を冠するため、新しい仕事や生活を始める方々にとっては縁起の良い神社として知られる当社。毎年この季節になると、鳥居の前で頭を下げたり、お賽銭箱の前まで行って手を合わせたりする新顔さんたちを多く見かけるようになります。 中には、数分の間じっと目をつむり、手を合わせ続ける方もいらっしゃいます。お参りをするために、少し早めに家を出ている人もいるかもしれません。 みなさん、どんな思いを胸に抱きながらお参りをされているのでしょうか。「おはようございます。今日も一日宜しくお願い致します」と神様にあいさつされている方もいれば、「今後、この会社でうまくやっていけますように」とか「同僚と仲良くなれますように」とか、願いは人それぞれでしょう。 そもそも、みなさんの中では神社はどんな場所だというイメージがあるのでしょうか。多くの方が神社はお願いごとをする場所だと思っていらっしゃるのではないでしょうか。それは間違いではありませんが、神社というのは、それだけではないのだと私は思っております。
神社は誓いを立て、前進するための「装置」
神社はお願いごとをするだけではなく、「誓いを立てる場所」だと私は思っております。 「自分はこういうことを目指しており、それに向けてこういう努力をしますから、どうか神様、見守っていて下さい」と、自分の夢や目標を立て、それに見合った努力をしますとご神前で誓う。そして、自分がそうやって努力して目標を成し遂げていく様子を、どうか見守って下さいとお願いするのです。そうした真摯な姿勢を、神様はちゃんと見ていらっしゃいます。神社とは、神様の前でそうした誓いを立て、自分を奮い立たせ、前進させるための「装置」といってもいいかもしれません。 新しい仕事や生活を始めるこの季節、ご自身がこれからお世話になる土地の神社に詣でてみて下さい。夢や目標があっても、家族や友達、同僚や上司などには照れてしまって話しづらいかもしれません。でも、ひとり心静かに神社でご神前に立てば、神様にはそっと打ち明けることができるかもしれません。そんな時こそ、神様の前で思い切って誓いを立ててみましょう。そして、それに向かって努力してみましょう。そうすれば、自分が何をすべきかが見えてきて、自ずと道は開けてくるのではないでしょうか。