郵便料金“30年ぶり”値上げ それでも“黒字は1年だけ”試算も 郵便物の数“半減”【#みんなのギモン】
その郵便ポストですが、今年3月時点で、全国に17万5000本あまり設置されています。 数そのものは、そこまで減少していないのですが、今年6月の調査では、4本に1本ほどが“1か月に30通以下しか投函されていない”ことがわかりました。 つまりは、1日に1通投函されるかどうかというポストが、一定数あるということなんです。それでも毎日、入っているかどうかわからないポストにも原則、回収しに行く必要があります。郵便物が減っているのに、人件費はかかるという悪循環になっている現状もあります。
■値上げをしても…“黒字は1年だけ” 岐路に立つ郵便事業
ここでもう1つのポイント、「値上げしたとしても…」についてみていきます。 郵便料金の値上げをした場合と、しなかった場合、それぞれの郵便事業の収支がどうなるかを試算したグラフがあります。昨年度(※2022年度)は211億円の赤字に転じましたが、その後も値上げせずにいくと、赤字はどんどん膨らみ、5年後(※2028年度)には赤字が3400億円を超えるとみられています。 そして、値上げをした場合の収支の見通しを見てみると、実は想定どおりの値上げをしても、黒字が見込まれるのは2025年度だけ。黒字は1年だけということに。2026年度には再び400億円の赤字、2028年度には約1200億円の赤字となる見通しです。 今回、郵便料金が大幅に値上げされる印象ですが、総務省としては国民生活への影響を鑑みて、「これでも値上げ幅は最小限のものにした」と説明しています。郵便料金の値上げに踏み切っても、根本的な解決は見込めないのが実情ということなのです。 郵便離れが加速していますが、何のサービスを残して、料金をどう設定するのか、郵便事業はまさにいま、岐路にたっているのではないでしょうか。 (2023年12月19日午後4時半ごろ放送 news every. 「#みんなのギモン」より)
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