「オバケ?」展(PLAY! MUSEUM)レポート。オバケ屋敷、落語、銭湯、500冊絵本など、みえないものと想像力豊かに遊ぶ博覧会
水嫌いのオバケも安心!「オバケ湯」で疲れを癒そう
さて、「オバケ?」展のラストには、オバケたちが集う「オバケ湯」へ行って疲れを癒そう。ここは、オバケ大好きなブックデザイナーの祖父江慎(愛称:ソビー)が、オバケたちのためにデザインした銭湯。オバケはもともと水が苦手。そんなオバケたちでも入れるようにオバケ湯番頭のソビーは「カワキミズ」で銭湯を作った。 もちろん「オバケ湯」のなかに入り、思い切り遊ぶことができる。「オバケ湯」は、用意されたもので遊ぶことが多い現代の子供たちが、みずから遊びを作り出すことをめざした取り組みでもあるのだという。 脱衣所にも、オバケを吸入する「オバケ牛乳(オバケキウ二ウ)」や、身体が伸びたり縮んだり、歪んで映る鏡、風呂あがりにはオバケ漫画の名作『オバケのQ太郎』が置かれるなど、くすっと笑ってしまうような小さな工夫が込められている。 史上初のオバケ万博は「オバケ」をキーワードに、クリエイターやアーティストたちが、身の回りの物事をよく観察し、想像力を働かせて、本気で楽しんでいる大博覧会でもあった。 そういえば、子供の頃はいまよりもっとオバケが怖かった。オバケを見るために必要なことがあるとしたら、それは想像力のなかでめいっぱい遊ぶことなのかもしれない。親子連れでも、もう一度子供時代に戻って遊びたい大人にも、この夏おススメの展覧会。ちょっと怖いけど、気になる?「オバケ?」展にぜひ足を運んでほしい。
ShinoArata